食べたいけど

人間の身体の健康は絶妙なバランスで成り立っていて、少しの緩みでジェンガのように崩れてしまうものだと思っている。崩れたらまた積み上げれば良いのだが、場合によってはジェンガのブロックの一部が変形したり無くなってしまったりして復旧が困難になる。

誰だって、ガタガタの身体で、薬でごまかしながら生きることはしたくないだろう。高齢者になればそれも致し方ない気はするが、若い頃からそうはなりたくない。

母親が健康オタクだったため子供の頃から加工済み食品やファストフードはあまり食べさせられずに育った。外食も必要最低限で、家族で外に出かけても大抵お弁当だった。

ただ父はファストフードやカップラーメンなどの母に言わせれば「添加物だらけの食品」が大好きなので母に内緒でたまにハンバーガーやポテトを食べさせてもらっていた。それでも数ヶ月に一回くらいだ。

大学を卒業し一人暮らしを始めて、やっと食の呪縛から解き放たれた。だがそれでも母から忌み嫌われた食品類はあまり食べる気がしなかった。味と脂が濃すぎて、食べると頭がぼうとする。母の刷り込みなのか身体の生理的反応なのかはわからないが、確かにそうなのだ。

それでも子供が生まれるまではたまにファストフードに行ったりしていた。無性に食べたくなる時はあるものだ。1日3食中の1食をそれで済ませても特になんの問題もなかった。

しかし子供が生まれると子育てに追われて外食ができなくなり自炊中心になった。また離乳食が始まると作り分けが面倒なので大人も子供も食べられるような味付けが薄い食べ物を作るようになった。そういう食生活を2年ほど続けた。

今は子供も成長し味付けも少しずつ戻し、外食したりファストフードを買ってくることができるようになったが、私の体はファストフードを受け付けなくなったようだ。

昨年冬、仕事の昼休みにマックで昼食を済ませた時は翌日に体調が悪化し、なんとか仕事を終わらせ帰ったものの熱が上がってその次の日は仕事を休んだ。重い風邪だった。
最近では夫と私だけケンタッキーで昼食を済ませた時、翌日に発熱しひどい頭痛で1日中動けなかった。
昼を宅配ピザだけで済ませても必ずお腹を壊すし、こういった例が何度も続くとさすがに辞めようとなる。

おやつにチキンナゲットを食べるくらいではここまでならない。ファストフードで一食を済ませるのが良くないようだ。

最初にあげたジェンガのように、普段の生活でなんとか保たれている身体の免疫が、ファストフードによって崩されてしまうようだ。少なくとも私の場合は。夫は身体になんの影響もない。彼は子供の頃にファストフード制限を受けておらず普通に食べていたそうだから、身体が慣れているのかもしれない。かの有名な映画「スーパーサイズ・ミー」でも毎日のようにビッグマックを食べていても健康体な人がいた。

とりあえず私の場合は、一食ファストフードは止めておやつ程度に食べるようにしよう。ケンタッキーのフライドチキンは何にも代えがたい美味しさなので。あの味付けにはいつも感心させられる。

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