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気送管(空気管送信システム)の着想を現代に活用させなければならない。


19世紀中頃に初めての空気管送信システムが登場し、ロンドンやパリで大規模なネットワークが構築され、都市全体をカバーするシステムが運用されました。映画などでよく見る、シュポっと書類を館内の誰かに届けるシステムです。とても格好良く、アナログ感満載のスチームパンクな雰囲気が私は大好きですが、現代ではほとんど見ることがありません。まず、このシステムのデメリットは以下のとおりです。

維持管理コスト

  • 管理が複雑であり、定期的なメンテナンスが必要。

  • 管が詰まることがあり、その修理には時間とコストがかかる。

制限された容量とサイズ

  • カプセルのサイズに制限があり、大型の物品や大量の書類を一度に送ることができない。

スピードの限界

  • 一定の距離や重量を超えると、送達時間が遅くなる。

  • 他の高速な通信手段に比べると、相対的に遅い。

信頼性の問題

  • カプセルが管内で詰まることがある。

  • 高速で移動するため、書類や物品が損傷するリスクがある。

以上がデメリットです。

輸送するためには高速で移動したいが、輸送物を保護しなければなりません。そのため保護するために段ボールを使って輸送しなければならないのです。では、段ボールを輸送するには?段ボールを輸送するには段ボールに入れなければいけないのです。

以前、私はパソコンの修理を頼んだことがありますが、修理が終わったパソコンのモニタが壊れて帰ってきたことがあります。つまり、修理を頼んだらもっと大きく壊れて帰ってきてしまったのです。

このように宅急便にはとてもアイロニックが詰まっており、進化過程であると言えます。本来の人間のあるべき姿とは異なる形で繁栄してしまったものです。

例えばギターもそうです。何気ない楽器ですが、あれだけが楽器として地位を確立しています。シンセサイザーのように多くの音を出せる楽器があるのに、かっこいいからという理由でギターが一旦進化過程で止まり、ロックバンドが沢山増えました。本来はもっと多くの音を出せる音楽に行き着くべきですが、ギターでとどまった音楽性がそのまま確立していることはとても興味深いです。進化の過程でなぜここまで繁栄したのかと疑問を投げかける学者もいるでしょう。

さて話を戻して、気送管を現代に活用する話をしたいと思います。まず物を配送するために東京大阪間には貨物列車、トラック、船便があります。今どれも人が運んでいる状態です。これを気送管のようなもので機械的に東京大阪間まではシュポっと配送できれば、革命的な宅配システムとなるのは言うまでもありません。

まずデメリットから分解して考えてみましょう。維持管理コスト、制限された容量とサイズ、スピードの限界、信頼性の問題というデメリットがあります。

維持管理コストについては、かかるのは仕方ありません。しかし、賢明な読者諸君なら、人が毎回拘束されて長い時間輸送していることを考えれば一考の余地があることをお分かりいただけるでしょう。

制限された容量とサイズについては後述します。まずはこの「スピードの限界」を考えなければなりません。信頼性の問題については、やはりスピードとサイズに起因しています。

つまり、問題はエア送信というところにあります。物を簡易に高速で飛ばす力が必要なのです。そこでエアではない別の方法を考えます。速度的にはロケットが大阪東京間なら数分で到着するので一番良さそうではないでしょうか?ロケットは破壊兵器的で着弾時に物を壊してしまいます。ではこれを別の方法で使えないでしょうか?

例えば真空管のカプセルに入れた物体をロケットのように発射し、気送管を通って軌道を確保し、最後の到着地点では減速しながらくるくると回り、その労力で発電するのはどうでしょうか?発電装置として幾分かは次の発射に使えそうです。次に発射動力は三菱のレールガンの考え方を用いるのはどうでしょうか。

次回、レールガンについて考えてみることにします。

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