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負けない株式投資 =塩漬け回避の投資術=

A社株式、株価1,000円。
いま買えば絶対に騰がると思って買ってみたものの、900円まで下落。
すぐに持ち直すだろうと淡い期待を抱いている間に800円まで下落。
ロスカット(損切り)のタイミングも逃し、しばらく放置。
そんな経験ありませんか?

かつて、私も何度も経験しました。
でも、視点を少し変えるだけで塩漬けを回避できる、むしろ、塩漬けを放置できない思考になります。

ロスカットできない理由

資産を増大させていくために健全なロスカットは必要だということは皆さん理解されていると思います。でも、実際にうまくロスカットできない。どうにもならないところまで行ってしまって仕方なくロスカット。というケースが多いのではないでしょうか。
うまくロスカットできない理由は2つあると思います。

(1)ロスカットラインを明確に定めていない
ロスカットラインとは、株価がいくらまで下がってしまったら売却するという価格です。騰がると思って買っているのだから、下がることを想像することは、なかなか出来ないものです。
仮に自分のなかでロスカットラインを決めていたとしても、いざその価格まで下がった時、ロスカットを実行できるかと言えばそれまた難しい話です。
「これだけ下がったのだから、反発があるはず!」
「市況全体の悪い流れに引っ張られただけ、きっと明日には盛り返す!」
などと思いたい気持ちはよくわかります。
ですから、明確に定めることが大切になります。
ロスカットラインだけでなくロスカットの方法まで明確に決めておく。ということが必要です。
例えば、「終値がロスカットラインを下回っていたら翌日の寄り付きで売却(成行注文)する」というように。
もちろん、これを例外なく実行するという強い意志が必要なことは言うまでもありません。

(2)評価損は売るまで実損ではないという意識
いくら株価が下がっても、(信用余力がある限り)その場でお金を取られることはありません。売った時にはじめて買った値段より少ないお金しか戻ってこないことで損失として認識することになります。
逆に言えば、売らなければ損にはならないとも言えます。
将棋では、相手が投了する(自ら負けを認める)ことで勝敗が決しますが、株式投資もこれに似ているかもしれません。
負けを認めたくない。現実から目を逸らしたいとの想いも強いでしょう。
でも、いずれきっと持ち直すはずだとのわずかな期待と裏腹に、実際は傷口がどんどん広がってしまうことが多いのではないでしょうか。

乗り換えのススメ

追い詰められた時こそ、一歩、離れて状況確認してみましょう。
A社の株式を買うときはA社の株価が今後、きっと騰がると分析したはずです。
現在、東証一部上場企業は執筆時現在で2,179社あります。これらは様々な基準をクリアしている企業なので比較的安定した株価推移が期待できる銘柄といえます。

では、ここで改めて分析してみてください。
A社+東証一部上場企業の全銘柄のなかで、今の株価をベースに、今後、最も株価の上昇が期待できる銘柄はどこですか?

分析の結果がA社であったのなら、保有継続でOKです。でも、それ以外の結果であったら・・・。

昨今、多くのネット証券会社での株式売買手数料はかなり安くなっています。そんな中、A社の株式を継続保有する理由はありますか?
私なら、とっとと別の銘柄に乗り換えます。2,000社余りの中には魅力的な銘柄が少なからずあるはずですから。

乗り換え案内

この乗り換えはとても有効な手段だと考えています。
しかし、保有銘柄の株価が少し下がったからといって、やみくもに乗り換えを繰り返していると、乗り換え貧乏まっしぐらです。
ここでもやはり、明確な運用ルールが不可欠です。

私は短期運用の手法のひとつとして、下記のルールを設けています。
①取得価格から〇〇%上昇したら即、売却する
②取得価格から〇〇%下落したら即、乗り換えを実施する
③取得日から〇〇日経過したら即、乗り換えを実施する
※ここには書きませんが、上記の〇〇は固定値です。

このルールのポイントは2つあります。
1.ロスカットとリスタートをセットにすることで前向きな気持ちになれる。
徹底したロスカットの運用はなかなか難しいですが、リスタートのためのロスカットだと考えてば、損失確定がむしろ新たな期待に繋がります。
2.最長保有期間を決めた運用なので塩漬け状況にならない。
騰がっても、下がっても、下がらなくても売るという運用をルーティーンで行うことができるようになれば塩漬けとは無縁の投資生活を送れます。

まとめ

大切なことは、どんなに愛着をもった保有銘柄であっても無用な期待を持たず、その銘柄が今後騰がるのか?ということを、常に他の銘柄と比べて判断できるかということです。

上記の説明では、選択肢を東証一部上場企業に絞りましたが、優良銘柄は他にもたくさんありますし、それぞれの投資スタイルで対象銘柄も違いますので、そこは皆さんそれぞれに合わせた投資先で検討いただければと思います。

皆さんの株式投資の参考になれば幸いです。

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