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めんどくさがり屋のアトリエ 濁った筆洗

アトリエに不思議な絵が飾られていた
絵描きはめんどくさがりやでなまけもの
水は濁り
そのキャンバスは白と黒がまじりあい
ときとして・・・みなおなじにみえた

そこに訪れた客人は
つまらなくなって
誰もその絵を見ようとしなくなり
絵は一枚も売れなくなってしまった

なまけものはあわてた
かけどもかけども・・・・・・にごったみずでそのキャンバスはどろどろになる
やっきになって・・・つかれはてててベッドに転がり込んで昏睡してしまった
静かな部屋に絵描きの深い寝息だけがときをきざむ・・
たいくつしたなまけもののふでがためいきをついたようにぱれっとからゆかにおちたとき沈黙の大きなキャンバスが動いた
いえいえ薄汚れてしまった絵の具が動き始めたのだ

白と黒は自分の色を強調し

みるみるうちにそのいろはながれ
二つの色にはっきりいろわけされて いく

ふたつのいろがおたがいさまにういういしくあたまをさげようとしたときはじけてしまった・・・・・・どうしたことでしょう白い色がはずかしそうにピンクになっていく

ピンクに変化した色は恋をした(笑)そそて真っ赤になった

真っ赤になったその色はなんになる
そうまっかな太陽になる(笑)

あかいあかいその太陽はぐるぐるとまわりはじめた

そして太陽がころがるように黒の中に飛び込んだ時キラキラとしたしぶきがあがり月と星になった

目が覚めたなまけものはそのきらめく月と星のキャンバスに驚いた キャンバスはいきてるようにまるでちがうふうけいに変化していくえかきのこころにほしのこえがきこえた つきのささやきがきこえたむかしきいたなつかしい子守歌
絵描きが大きなあくびをした時朝の光がアトリエに降り注ぎキャンバスはしずかにとまった

そのうち汚れた自分の手を見てふたたびおどろいた(笑)

きれいな水で手を洗い

窓を開ける空を見上げると青い空が広がっていた

あ~空は青いんだとつぶやいて

まわりのけしきにめをやった・・・太陽のもと色とりどりの花が輝いている

長い間アトリエからいっぽもでなかった
彼は目をこすりながらこれから描く絵のイメージを広げながらドアを開けあるきはじめた

なんだか楽しくなって…口笛を吹きながら(笑)