スポーツしようぜ！　#書もつ

消えた祝日・・をご存知の方は多いと思います。今月は、なんと祝日がありません。来年もそうかなと思います。オリンピックの開会式の日が祝日になったと思ったら、移動してただけなのですね。前払い祝日（笑）

それでも、「スポーツの日」に絡めて、スポーツの秋ってことで、スポーツ関係の小説を紹介させてください。

バッテリー
あさのあつこ

バッテリー (角川文庫)

中学で出会った二人がバッテリーを組み、成長していく物語。野球というスポーツを通して、子どもが成長していく中での葛藤の繊細さを丁寧にすくい取っているかのような描写が印象的でした。

舞台が地方都市だったからか、時代との乖離のような感覚もありましたが、子どもたちが生きていく世界のみずみずしさが羨ましかったなぁと思い出しました。主人公の家族もまた印象深く、なぜ野球に打ち込むのかが、本人以外の口から語られているような気分でした。

確か、中学生とか高校生くらいで読んだ作品でしたが、ジャンル的には児童文学となっており、当時は小学生には難しいのでは、と思っていました。

僕は野球に疎いので、児童文学とかのほうが野球の説明もしてくれて親切だなぁと思ったのかもしれませんが、とにかくこの作家さんの、ひたひたとした文体に惹かれて、4巻を読み切った覚えがあります。

幼い頃、父に買ってもらったグローブがありました。しかし、僕は1度も使いませんでした。父とキャッチボールすればよかったと、野球の作品を読むたびに思います。

ちなみに父は健在なので、やろうと思えばできるのですが（笑）

親の世代からしたら、作家の名前に「え？」となるわけですが、もちろん別人です。僕は「バッテリー」に感動して以降様々な作品を読みました。野球関係の作品は爽やかでかっこよく、時代物は路地裏の薄暗い世界を垣間見るようでゾクゾクしたものです。


野球の次に好きな人が多そうなスポーツって、これかなぁと思う作品も紹介させてください。


風が強く吹いている
三浦しをん

風が強く吹いている (新潮文庫)

読書メーターに感想がありました。

あと少し、あと少し、気がついたら彼らの駅伝が終わっていました。

こんなに良い作品とは知らずにいたのが勿体なかったと痛感せずにはいられない時間を過ごしました。箱根駅伝の独特の清々しさや、緊張感など、走者の気持ちを細かく描写するこの作品を多くの人に薦めたい。

あり得ない話だからこそ、小説たりうるのだし、苦しいことも嬉しいこともきちんと表現できるこの作者の筆力は物凄いと思いました。

たったの２日だけれど、彼らのドラマが繰り広げられる時間を共有できて良かった。速くないし、強くないけど、走ろう。

ブックカフェで知った作品。いや、きっとタイトルは知っていたし、作者も読んだことがあったのです。なのに、なのに、読んでいなかった自分に、人生損してるよ？と言いたくなるような作品でした。

僕は幼いころから、お正月には箱根駅伝を見ていました。高校から鳴り物入りで入った１年生の光と影、最終学年ランナーとしての矜持、名門監督の神秘性・・数々のドラマが生まれていったのを、子どもながらに楽しく見ていました。

大学4年間の限られた期間と、恵まれた体格や資質を持つ人間の、輝かしい世界には、奇跡が起こることがあるのだと教えてくれるような作品でした。

小説らしい魅力的な設定のほかに、個性的な人物たちの壮絶とも見える苦悩と努力、そして信頼から生まれる、体力を超えた気力。

がんばれー！と沿道から声をかけたくなるような、むしろ苦しくて目を閉じてしまうような鮮やかな描写は、体験してほしいと強く思います。ひとりの人間が、仲間とともに成長する過程って、なんでこんなに美しいのか・・と思わずにはいられません。

両作品とも映画化されています。僕は結局見られていませんが、小説を映像化することでもっと説得力が増す部分もあるし、臨場感をじかに感じられるのは、とても魅力的です。また、主演されている俳優さんが、両作で共通しているので、見比べるのも面白いかも知れません。

秋の涼しい風を感じながら、ゆっくりジョギングしたいし、モンブランも食べたいし、本も読みたいし、旅行にも行きたい・・。

秋は短いのに、やりたいことはたくさんあります。

タイトルは、きれいな紅葉の中でジョギングする様子ですね。例によって、infocus📷さんの作品です。ありがとうございます！根駅伝の予選にもなっている大会は、銀杏がきれいな東京の立川にある昭和記念公園で行われています。

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