見出し画像

この夏へ、あの夏から #書もつ

オリンピックが始まりましたね。

実は、この原稿は開会式の日に書いています。ブルーインパルス・・今回もあるのかなぁってぼんやりしてたら、Twitterでいろんな方の写真や動画を見ることができて、時代は進んだなぁと思いました。(前回のは、映画「3丁目の夕日」でしか経験していませんが笑)

なんとなく未来のことを予測して書くにしても、「盛り上がってますね」とかって書けません。その逆も然り。

でも、蓋を開けてみると、盛り上がっていますね。この日のために努力してきた人がとても多くいて、しかもそれがきちんと形になっている、それってすごいことですよね。

さて、3つ前の大会を覚えているでしょうか。2008年の北京オリンピック・・日本の陸上男子が快挙を成し遂げたのは、もう懐かしい記憶になりました。確か、東京でオリンピックを開催することが決まったのはこのさらに数年後だったように思いますが、とても盛り上がった男子400mリレーのこと。

その選手たちにインタビューをして、一つの作品に編んだのは、「走る」物語が魅力的な作家さんでした。

夏から夏へ
佐藤多佳子

緻密な文章のための、徹底した取材の様子が分かりやすく描かれていて、とても楽しい作品。実在するランナーたちの記憶に新しい快挙の裏側を見た気がして、すこし嬉しい。あまりにも有名な高校生ランナーの物語を読んでいないことに気付き、読みたくなった。

小説家の方が、スポーツライターのように、ノンフィクション作家のように、実在している選手たちを描いた作品です。

なんといっても、テレビで観ている人たちを文字で読み直すことは、直に話を聞いているような気分になるし、記憶に残っているシーンを中の人の視点で見直すことができるような印象を受けました。

丁寧な取材があったことで、それぞれの選手がきちんと出てきている印象がありました。きっと作家という職業もまた、緻密な人物描写のために取材をしているのだろうと思いました。

陸上の短距離は、一瞬とも言える競技時間だけれど、当たり前に練習やトレーニングなどを重ねているわけで、さらにメンタル面だって鍛えて鍛えて、世界と戦うことへの準備はとてつもなく計算されているように思っていました。

しかし、実業団に所属する選手は仕事もしているし、家族との関わりも、作品に描かれていて、同じ人間なんだなぁと思えました。さらにチームで挑戦する競技ともなれば、個人のコンディションだけでなく、チームとしてのコンディションも問われてくるという、重圧・・アスリートってすごいですね。

冒頭でチラッと書いた、この作家の「走る物語」とは『一瞬の風になれ』です。こちらは高校の陸上部という否が応でもカッコいい(笑)、とても清々しい物語です。

ずいぶん前に、「オリンピックって、なに?」と子から聞かれた時に、「そうだよね、ほんと何だろうねぇ・・」と本質的なことを考えてしまったくらい、開会式までの道のりがモヤモヤしていました。

どうか、いい大会になりますように。
がんばれ、日本。


オリンピックを意識した、さわやかなサムネイル。背景がとても涼やかですね、避暑地でジョギング・・なんだか憧れます。infocusさん、ありがとうございます!

#推薦図書 #夏 #走ること #インタビュー


この記事が参加している募集

推薦図書

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd