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モザイクな文化が生んだ #書もつ

毎週木曜日は、読んだ本の感想を書いています。(このことわり文を久しぶりに書きました)

図書館の福袋シリーズの3冊目です。(福袋は3冊入り、1冊目はムック的雑貨本2冊目はロマンティック担当

「雑貨と暮らす」がタイトルに入った作品が3冊中2冊と、雑貨と生活が切り離せないことは、もはや雑貨好きには確認する意味もないくらいに当たり前の事実になっているわけですが、その2冊目。

出版年を見てみると、2002年となっていました。僕は大学2年生とかだったと思いますが、当時の雑貨の風潮みたいなのは、全然記憶がありません。ただ、北欧雑貨のブームの前は、アジア系の雑貨とか古着とかのお店が、かなり流行っていたよね、なんて思い出します。

ベトナム雑貨と暮らす
石井 良佳

タイやカンボジアなど、アジアに旅行すると、常に感じていたのは日本円と比べて物価がとても低いことでした。旅番組で「安い安い!」と騒いでいるのが好きではないので、こういう表現にしましたが、ともかく現地の値段に驚き、また売り方にも驚かされました。

そんなアジアの国々の中でも、ベトナムは未踏。トランジットでも降りたことがありません。ひしめき合うバイクや自転車、美しい海の風景、戦争の爪痕、いくつもの景色は浮かぶのですが、行くチャンスがなかなかありませんでした。

この本は、雑貨を紹介するとともに、ベトナムの文化を伝えてくれる読み物としてもとても役に立ちました。ベトナムでも日本のように作陶文化が発達していて、コバルトの青を生かした皿や、素朴な赤い色が特徴の茶器などが紹介されていました。

驚くべきは、それが日本の”茶の湯”の文化を支えていたこと。例えば浮世絵がヨーロッパで珍重されたように、日本ではベトナムの茶器が人気を集めていたのだとか。塗り物の”漆器”も日本独自のものかと思っていたら、ベトナムにもあるそう。

ベトナムは、アジアの王様”中国”の絶大な影響を受けつつ、フランスの植民地であった歴史も、社会主義的な思想はソ連(ロシア)からのものと、雑多な文化が混ざり合っているのだとか。それをモザイク、と表現しているところに、ベトナムの”おおらかさ”とか”しなやかさ”があるのかもしれません。

雑貨って、その国の文化的なものの凝縮とか欠片のような価値があって、それを垣間見ることは、旅をしている感覚に近いのかもなぁ…なんて思いました。だから、現地で買う雑貨って、すごくお土産感があって、自分が思い出すための装置になるけれど、日本で買ったアジア雑貨って、そもそも物語がない状態なんだな、とぼんやりと思うのです。

数年前、クリスマス前に思い立って、二子玉川のフライングタイガーに家族で出かけて、「1,000円まで買い放題ツアー」やったのを不意に思い出して、すごく懐かしくなって泣きそうになってしまった。あの店も、北欧の雑貨店!ドヤァ!って感じで好きなんですよね。


図書館の福袋シリーズ、今回は「雑貨がすきです」を選んでみました。まさか20年も前の雑貨本に出会えるとは思ってなかったので、懐かしさと新鮮な気持ちが混ざる読書体験でした。雑貨って、うまくいえないけれど”旅”なんだよなぁ、と思いながら楽しんでいました。


モザイクなサムネイル、infocusさんありがとうございます!異国の雑貨、何だか魅力的ななんですよね。

#雑貨 #図書館福袋 #ベトナム #懐かしい

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