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関西すうがく徒のための就活まとめ

Remark)
・個人的な意見を多分に含みます。異論等いろいろあるとは思いますが何卒ご容赦を。
・筆者は19卒で6/17に就活が終わりました。

0.はじめに

就職無理学部の中でもさらに就職が厳しいと言われている数学科。でも近年そんな数学科でも比較的コツをつかめば就職が楽になってきたように感じます(景気が良くなって周りもそうかもしれませんが)
というわけで僕の就職活動について、数学科ならではも含めてまとめておくので、是非活用してもらえればと思います。

1.数学科の進路

阪神、奈良女、市大を見比べる(京大は就職先非公開)とだいたい次に分類できます。
(仕事内容の紹介、良い点、悪い点の順番に並べています)

A.銀行&証券
銀行と証券は数字を扱うこともあり数学科は多いです。また、どちらかといえばフロントではなく裏側で金融商品の設計などなどをやることが多いです。(いわゆるクオンツ)
給料は高く、仕事の題材としては面白いとは思います。
しかし、絶対スーツで硬い社風、年功序列の上激務&競争が激しい世界です。(給料はいいですが)
社風が合えばアリだと思います。

B.保険事業
いわゆるアクチュアリーです。数学科の割合が相当に高い業界で、数学で一生食っていけるお仕事です。
給料も非常に高く、ほぼ東京固定勤務で転勤の心配もありません。
ただ入社後もアクチュアリー資格取得のために相当な勉強が必要です。なお筆者は測度と確率論がダメだったので早々に諦めました。

C.メーカー
メーカーに数学科?と思われがちですが、最近のいわゆるビックデータとか何やらで企業としては数学科を欲しがっています。数学からはちょっとズレることにはなりますが、最先端技術には触れられるし、研究に近いことができます。
会社によりますが、年功序列が強い代わりに安定的で残業も少なめ、組合も機能していて長く勤めることができます。
問題はやはり工学部とバッティングする上に、面接で「その研究はなんの役に立つの?」と必ず聞かれます。プログラミング技術を持っていてそれを活かせることをアピールできるのなら、工学部情報学科っぽく振る舞うことでかなり楽になります。

D.コンサルティング
XX研究所、YY総研などの、大企業などに対して状況を分析してアドバイスするお仕事です。
激務ですが給料はよく、場合によっては日本政府そのものを動かすこともあります。
ただし数学はまったく活きません。彼らのいうロジカルシンキングは数学とは全く別物です。
頭の回転の早さとコミュニケーション力がある人にオススメです。

E.IT
最近ガンガン伸びてるIT分野です。数学が活かせるところもあればそうでないところもあります。ITには大きく分けて2種類あります。

E-1.SIer
企業が求めるシステムやソフトを構築するお仕事です。プログラミングはあまりせず、ソフトの設計や客との折衝が主な仕事です。(実際のプログラミングは外注することが多いです)メーカーの子会社SIerだと機械を相手にして数学を使うことはありますが、そうでなければあまり関係ありません。
大小様々なSIerがありますが、今後もっとIT化が進むので食いっぱぐれはありません。
よく言われるIT企業の闇はSIerを指していることが多いです。残業は多めです。

E-2.Web系
SIerに比べて小規模で、自分たちで企画から実際のプログラミングまで行います。アプリやWebサービスはこちらになります。
自由な社風が多く、ノビノビ仕事ができますが、人の入れ替わりは激しい業界です。また、上位のWeb系では入社試験にプログラミング試験がありますので、既にある程度プログラミングができることが前提条件になっています。

F.教員/塾講師
一生数学できます。
生徒と触れ合うというのはやはりやりがいのある仕事です。卒業式とか泣いてしまうのもやっぱり教員ならではです。
しかし、ニュースに取り上げられるほど激務でブラックだということです。部活と生徒指導と事務で授業予習をやっている暇がないほどです。残業代も出ません。また、高校の場合実際に数学できるのは上位校だけで、中位校より下は理系が少なくなるので数学を教えるというやりがいは減ります。
塾講師の場合は部活や生徒指導はない代わり完全実力制なので、トップに成り上がれれば別ですが、そうでなければ不安定なお仕事です。
子どもが大好き、数学を教えて生きていくならオススメです。

G.D進(→大学教授)
一生数学できます。筆者はそこまで数学できなかったので諦めました。

2.じゃあ就活ってどうすりゃええねん

2-1.まずはインターンに行っておきましょう
まずはインターンに行って、いろんな企業を知りましょう。今興味なくても、インターンに行くことによって興味が湧いてきたり、逆にインターンに行くことで実情を知ることによって「やっぱ止めておこう…」となる場合もあります。(入社する前に気づくことができてやった!)
おすすめは1つの長期インターン(1w~2w)と数か所の短期インターン(1d~2d)に行くことです。長期インターンを複数行くのは夏休みがすべて潰れてしまうのであんまりおすすめはしません。
また、インターンに行くことによって後々の就活で有利になることがあります。(筆者の場合は就活の選考が2週間早く始まりました)気になる会社は是非応募してみましょう。

2-2.就活イベントを(厳選して)行きましょう
インターンイベントはいろんなところでやっていますが、やたらめったらに行くことはお勧めしません。マイ〇ビがやるようなイベントは、座れる椅子はないわ人は多すぎるわ、対象が違うわでいいことがありません。説明会は行くべきですが、きちんとイベントを厳選しないと無駄に体力を消耗するだけです。おすすめは「学内説明会」と「大学限定イベント」です。特に後者はお金(図書カードor QUOカード)がもらえる場合があります。お小遣い稼ぎに是非行ってみましょう。

2-3.早めに内定を1つ確保しましょう
早めに内定を1つ取ると、精神的な安心感を得れる上に受ける会社を大幅に減らすことができます。外資系の企業は11月ごろから、日本の企業も早いところは1月ごろから始まります。ある程度志望度は低くてもいいので、とりあえず内定を1つ頂きに行きましょう。

3.その他就活のオススメ

3-1.数学を両親に話せるレベルまで説明できるようにしておきましょう
確実に「あなたの専門をわかりやすく説明してください」と言われます。相手が技術者ならまだマシですが、人事の場合はほぼ文系です。数学の知識は高校数学すらあてになりません。両親に説明できるぐらい簡略化しておければ大丈夫です。
筆者の場合は微分幾何なので、実際に微分幾何で扱う図形を紙で作って持ち込んでました。

3-2.数学+1つ、話せるネタを作っておきましょう
専門を聞かれた次には間違いなく「学生時代頑張ったことは何ですか?」と続きます。数学以外で何か1つ話せるネタを作っておきましょう。サークル、バイト、ボランティアetc…なんでもOKです。

3-3.東京に行くためのお金を貯めておく
企業本社が東京に集まっていくこのご時世、面接を受けに行くのも毎回東京に行く羽目になります(交通費は最終面接以外出ないというところが多いです)。深夜バス往復でも1万円、新幹線往復なら3万円かかります。今のうちにバイトをしておくか、親に借りる算段をつけるか、もしくは関西限定で就活をするか考えておきましょう。

4.そのほか思ったこと

4-1.ベンチャーと大企業どっちがええねん?
→A.人による。ハイリスクハイリターンかローリスクミドルリターンか。

近年ベンチャーなどなどで最初から年収600万、ノースーツ、裁量労働制などの働き方がありますが、筆者はお勧めしません。(もちろん人によるところはあります)
一番のデメリットは、「スキルがなくなった時に即首を切られる」からです。40歳を過ぎてからもそのスキルで食っていける自信があるなら別ですが。大企業ならスキルがなくても他部署に回したり、もしくは勉強する時間を与えてもらったり、最悪出向という形で生き残らせてはもらえます。しかしベンチャーや外資でその時間はありません。若い独身の時なら別ですが、45歳妻子持ち、自宅のローンもまだ残ってるし...っていう状況でならどうでしょう。
大企業→ベンチャーはやりやすいですが、ベンチャー→大企業は難しいです。せっかくの新卒就活切符は1回しかないので、是非よくよく考えてから挑んでみてください。

4-2.おすすめの企業は?
→A.以下に挙げておくので是非インターンや就活してみて。

・日立製作所(暗号理論系で数学できるよ)
・東芝(ある意味ギャンブルだけど)
・コマツ(超大手メーカーだけどなんとデータサイエンティスト採用があるのだ)
・構造計画研究所(アカデミック的なサイエンスコンサルティング)
・NTTデータ 数理システム(最適化など数理ソフトの開発)
・データフォーシーズ(データサイエンティスト)
・テンソル・コンサルティング(データ分析)

以上です!がんばってください!

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