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こんな人は転職エージェントにならないで欲しい

1ヶ月ぶりのnoteの更新になりました、もなきです。
Twitterはコツコツ継続中。フォロワー数は気付けば2,300人を超えました。)

TOPの写真は、先週登った富士山の6合目と7合目の間くらいです。
特に今回の話との関連はありません。

◆このnoteのきっかけ

先日、なかばノリで、こんなツイートをしました。

最初は全然ファボがつかなかったのですが、Twitter界隈の友人を中心にリツイートが広まり、結果的に100ファボ超えて書くことになりました。
※本当にみんな読みたいと思っているのかな(ボソッ)

◆前提

前提として、僕は2007年にリクルートエージェント(現リクルートキャリア)に新卒で入社して転職エージェントの経験が始まりました。約12年前です。その後エムスリーキャリアで採用人事として多くのエージェントの方々と関わり、2017年に独立してからはTwitter上のオンラインや、HR系のイベント・採用支援先の取引エージェントとの接点のようなオフラインも含めて、相当数のエージェントの方々と接してきました。上には上がいるのは承知ですが、転職エージェントとの接点量としてはわりと多い方かと思います。

また、自分自身が今も転職エージェントとしての仕事をおこなっていて、月の新規面談数は5人までと決めての細々とですが、求職者のご支援しております。ですが、自分も転職エージェントとして完璧だと思えたことは一度もないですし、完璧の形は時代と共に、また、求職者によっても変わるものだと思っています。完璧の形はないという意味では、どんな転職エージェントがいてもよいのかもしれませんが、自分とは合わない転職エージェントに当たってしまい、転職活動やその後のキャリアに苦しんでしまった人も沢山見てきました。

前置きが長くなりましたが、これまで多くの転職エージェントと出会ってきた中で感じた違和感や、合わないエージェントから辛みを味わってしまった話を聞いてきた経験を元に、このnoteを書いています。

----------この続きを見るには----------
----------残り:4,425文字 ----------


有料かよ!
と思わせぶってみましたが、以下はスクロールすれば無料で見られる内容です。奇跡的に反響が大きかったら、有料にするかもです。笑
(ちなみに残り4,425文字は本当です。長いです)

大きく分けて10個あります。
では、お付き合いください。

①マウンティングする人

マウンティングという言葉は普及してきましたが、そもそもは類人猿が自分の方が優位に立っていることを示すために、相手に対して馬乗りになる行為(マウント)をしていることを指します。要は、相手よりも自分の方がイケてるんだぜ!という態度や言動の総称で、猿やゴリラやオラウータン達がやる行為です。

勿論、転職エージェントは、求職者よりも、色々な方のキャリア事例を見ていたり、業界や各企業の特徴・内情を知っていたりという「情報量の差」はあるかもしれません。ですが、転職相談の場面において、これは単なる「情報量の差がある」という「事実」なだけであって、「情報量を多く持っている=偉ぶってよい」というわけではないのだと思います。

今の時代、ネットや人脈で調べればある程度の情報にリーチが可能です。転職エージェントの世界でも、求人情報やキャリア情報を持っているということは、もはや「情報量の差」ではなくなってきています。それにも関わらずマウンティングを取るというのは、単に「職を見つけなくてはならない」「転職をしたい」という大きな転機を迎えて、ややナイーブな状態になっている求職者の心につけこみ、自分はイケていると満足感を得るだけの行為・態度なのではないかと思っています。

②知ったかぶりをする人

類似の業界や職種の人と日常的に対峙していると
「これは●●社の事業に近いな」
「先日成約した▲▲さんの転職理由と似ているな」
と思うことは確かにあります。過去の情報と新しい情報をつなぎ合わせて、自身で理解を促進することは、人間誰しもおこなうので、悪いことではないかもしれません。
ですが、一見同じように聞こえても、その企業ならではの特異性やこだわりや事業への想いがあるはずですし、その求職者は転職にいたったその人にしかないキャリアのストーリーを持っています。

その深い部分を掘り下げてヒアリングしないでいると、相手はとても消化不良になりますし、自社(自分)のことを本当に分かってもらえたのだろうか、この人に任せてよいのだろうか、と不安になります。細かい部分を把握できていないと、いざ選考が進んだ際にボタンの掛け違いが生じて「あれ、なんでうまく進まなかったんだろう?」ということになります。その真因に多くの方は気付かず「運とタイミングが悪かった」で片付けがちです。ですが、全ては初期の接点時に、知ったかぶりをせずに真摯に相手の言葉とその先のストーリーに耳を傾けていたかに原因があり、その後の命運を分けるのだと思います。

③決めつける人

これは、上記の②に少し近いかもしれません。求職者の話を聞いて、
「あなたは●●みたいな会社が合っている」
「そんな会社は今すぐ辞退した方がいい」
のような言い回しで決めつけてしまう人です。

あくまで、転職エージェントは意思決定を支援する立場です。情報提供や思考の整理のサポートこそするものの、最終的な意思決定は求職者その人自身がすべきです。にもかかわらず「こうである」と決めつけてしまうことは間違っています。最悪なのは、決めつけて言われ続けることで「たしかに、、、自分はそうなのかも」と相手も思ってしまうパターンです。こうなると、その人としての意思が失われ、マインドコントロールされた状態になります。たとえ、どこかの会社に入社することができても、本音を出せずに入社した職場で果たして幸せになれるでしょうか。

④守秘義務が守れない人

転職エージェントの仕事をしていると、多くの「ぶっちゃけ話」に遭遇します。企業からも求職者からも、一般的には知り得ない「中の情報」を知る機会が多々あります。ですが、この情報はあくまで「当該企業の採用を支援する」「当該求職者の転職を支援する」ために頂戴しているものであり、第三者に提供していい内容ではありません。

以前に、転職エージェントの人の集まりに参加したことがあったのですが、あの企業はヤバいとか、あの人事は辞めそうとか、絶対に言っちゃダメな情報が飛び交っていて、目と耳を疑いましたし、以後転職エージェント系の集まりに参加することを僕はやめました。

情報はいくらでも拡散される時代です。企業の「ぶっちゃけ話」と同様に、「転職エージェントがぶっちゃけ話をぶっちゃけている話」も、いくらでも拡散されて会社に重大なリスクをもたらす可能性は認識すべきです。

⑤誘導する人

転職活動も終盤になってくると、複数社で内定フェーズとなり、求職者も選択を迫られる状況になります。そんな時に、転職エージェントはどうするか。

例えば、3社内定をもらっていて、A社は自社経由、B社とC社は他社経由(もしくは自己応募)だとします。B社やC社で成約が決まると、そこまでどんなに頑張ってきても、A社の対応をしてきた自社には1円ももたらされないので、B社やC社ではなくA社に誘導したくなってしまう気持ち、分かります。転職エージェントも営業ですからね。

ですが、前述したように、転職エージェントはあくまで思考の整理や、情報提供こそすれど、最終的な判断は求職者に委ねるべきです。厳しいことを言えば、B社やC社を自社で提案できなかったことを悔やむべきなのです。B社やC社の悪口(いわゆるネガティブキャンペーン)を集めて、辞退を促す行為なんて、もっての他です。

余談ですが、僕だったらこの段階においては、その方の思考の整理に徹します。そもそも何で転職を考えたのかの要素を洗い出して整理して、その想いが最も叶う会社はどこなのかを整理して、整理できない場合は追加で情報を可能な限り取りにいきます。

最終的にその時は別のエージェント経由で転職が決まったとしても、その後お知り合いの方を紹介してもらえたり、転職先の人事に繋いでもらえたり、数年後にまた転職を考えた時に連絡をもらえたりしたら、それでいいじゃないですか。直近の売上よりも、その方のLTV(ライフタイムバリュー)をいかに取れるかの方がよほど大事だと思います。

⑥細かい仕事が嫌いな人

転職エージェントの仕事は、思っている以上に細かい仕事が多いです。
・面談や面接の日程調整
・求人の提案
・履歴書や職務経歴書の修正、アドバイス
・企業への推薦作業
・面接の対策、事前インプット
・内定時の条件交渉
色々と便利なツールが出てきているので、昔よりはだいぶ楽にはなってきましたが、それでも手間はかかります。

9割は地道な細かい仕事です。効率化の工夫は必要ですが、細かい仕事は結局発生しますし、ちょっとしたミス(日付と曜日が不一致とか)で、選考自体がポシャってしまうことだってあるのです。神は細部に宿ります。

⑦不利になることは求職者に振る人

たまにいます。面接の当日キャンセルや遅刻連絡、辞退連絡等を求職者自身にさせる転職エージェント。要は、自分(転職エージェント)は悪くない、非はない、ということのかなと思います。

しかし、企業の人事も暇ではありません。全ての電話を応対できるわけではないですし、普段やり取りをしていない人からのメールからの連絡は埋もれてしまう可能性もあります。

当日の面接キャンセルや遅刻も、ご事情がやむを得ない内容であれば、致し方ありません。そんなことは企業側も重々分かっています。転職エージェントは、求職者が転職活動にかかる負担を可能な限り減らすべきなのに、肝心なところで負担を突き返していたら、利用する意味がないとどんどん思われてしまうのではないでしょうか。

⑧電話コミュニケーションにこだわり過ぎる人

これは、若干好き嫌いがある話かもですが、僕は電話コミュニケーションにこだわる転職エージェントをあまり好きではありません。ホリエモン的に「電話は時間泥棒だ」的なことを言うわけではないですが、大事な話こそ、採用管理画面上や、メールやチャットツールなどで「文字情報として」残したコミュニケーションを取るべきだと思っています。

「ニュアンスが伝わらないかもなので電話でお伝えしたい」という話をもらうこともありますが、よほど急を要する時を除き、文字情報でまずはもらうようにしていました。文字情報で整理して伝えられないことは、電話で伝わるわけがありません。

⑨同僚とよい関係を築けない人

人事だった時に、お取引をしている転職エージェントの方が、社内の同僚とよい関係を築けている人なのかは、とても見ていました。RA(法人営業)であればCA(キャリアアドバイザー)と、両面コンサルタントであれば他のコンサルタントと。

大手エージェントを中心に、マッチングの効率化(自動化とも言う…)が進んだとはいえ、途中からは、人が介在しての連携プレーになります。その時に、転職エージェントのフロントに立っている方が社内の同僚とよい関係を築けていないと、求職者の情報をもらえなかったり、面接日程が進まなかったりと進捗が滞ってしまうこともあります。つまり、本来の「転職支援とは全く関係の無い要素がボトルネック」となり、介在価値を阻害することが起きかねません。

決して、RAはCAに低姿勢で臨めということを言いたいわけではありません。カウンターパートナーの仕事に敬意を持ち、一つ一つの仕事や対応を感謝し、成功した時には一緒に喜び合う。その積み重ねがあれば、ボトルネックとなることはないと思います。

⑩転職エージェントの介在価値を考え続けられない人

最後にして、根本的な話です。

転職エージェントは、想定年収の約30%を成約時に紹介フィーとして求人企業からいただきます。500万の年収で転職が決まった方のご支援は、150万程度のフィーになります。

言うまでもなく、求人企業としては高額な出費です。リファラル、ダイレクトリクルーティング、Wantedly、bosyu、オウンドメディア、SNS採用など、より安価で採用ができるチャネルがどんどん増えてきています。でも、お金をかけてでも採用をしなくてはいけないポジションだからこそ、他よりも高いコストをかけて、転職エージェントに依頼をしているのです。
転職エージェントに依頼している背景や期待を捉えて、価値を追求し続けなくてはいけません。

よく言われる話ですが、近い将来、転職エージェントの淘汰時代は訪れます。その時に、生き残る転職エージェントはどんなエージェントか。

やや逆説的ですが『転職エージェントの介在価値とは何かに向き合い続けながら、自分自身をアップデートしていけるエージェント』だと僕は思います。

求人情報を持っていることはもはや価値ではなくなってきている(どこも同じ情報を採用HPにOPENにしている)し、企業の内部情報や評判も様々なクチコミサイトを通じてある程度知ることができます。

僕が転職エージェント業界に足を踏み入れた2007年、リクルートエージェントの諸先輩達との飲みの場では、夜な夜な「自分たちの介在価値とは何か」を語り合っていました。当時は23歳の若造でその話をポカーンと聞いていましたが、今ではとても青臭く、大事な話をしていたんだなと思い返します。今、そんな話を熱く語り合っている転職エージェントは希少化されてきている気がしてなりません。

何が介在価値になるかは、時代や情報の変遷とともに変わってきます。その時に合わせて変われないエージェントは価値を失い、淘汰されることになると思います。常に進化が必要な仕事です。

あなたの転職エージェントとしての介在価値は何ですか?

長文お付き合いありがとうございました。

サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。