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SDGsを使った消費者コントロール経営に違和感

1月24日に開催された日経SDGsフォーラムに行ってきた。
日本のSDGs認知度はまだまだ低いと言われるが、会場は定員の600名で満席だった。
危機感を持って自社への取り組み方を模索している企業が多いのか、様子見なのか。
私は心にもやっとしたものを抱えて会場を後にした。
参加者たちは何を得に来て、帰っていったのだろうか。

「日経SDGsフォーラム」とは
日本経済新聞社と日経BPが、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs=Sustainable Development Goals)」の達成に向けた企業の取り組みを支援するプロジェクト「日経SDGsフォーラム」。今回のシンポジウムは、消費者庁とともにサステナブル経営による持続可能な社会を目指す「消費者志向経営」をテーマに、政府関係者や学識経験者、企業経営者らの有識者が、日本のSDGs達成への課題などを議論します。(公式サイトより)

サステナブル経営、最優秀は徳島の自動車学校

「消費者志向経営」とは愛称で「サステナブル経営」と呼ばれ、事業者が消費者目線で
1.みんなの声を聴き且つ活かすこと
2.未来・次世代のために取り組むこと
3.法令を遵守すること
を指す。

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された、世界で「誰一人取り残さない」持続可能で多様性で包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とした17の国際目標のことをいう。

ゴール1.貧困をなくそう(貧困)
ゴール2.飢餓をゼロに(飢餓)
ゴール3.すべての人に健康と福祉を(保健)
ゴール4.質の高い教育をみんなに(教育)
ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう(ジェンダー)
ゴール6.安全な水とトイレを世界中に(水・衛生)
ゴール7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに(エネルギー)
ゴール8.働きがいも経済成長も(経済成長・雇用)
ゴール9.産業と技術革新の基盤をつくろう(インフラ、イノベーション)
ゴール10.人や国の不平等をなくそう(不平等)
ゴール11.住み続けられるまちづくりを(都市)
ゴール12.つくる責任つかう責任(生産・消費)
ゴール13.気候変動に具体的な対策を(気候変動)
ゴール14.海の豊かさを守ろう(海洋資源)
ゴール15.陸の豊かさも守ろう(陸上資源)
ゴール16.平和と公正をすべての人に(平和)
ゴール17.パートナーシップで目標を達成しよう(実施手段)
引用:外務省資料


消費者庁長官の伊藤明子氏は、1962年にケネディ大統領が挙げた消費者の4つの権利に「意見を聞いてもらう権利」が掲げられたことをあげながら、自分や今のことではなく、未来のこと・全体のことを考え、消費者の信頼を裏切らない経営をすることがサステナブル経営だと説明した。

また、消費者庁として「ゴール12.つくる責任つかう責任」を強調し、近年の大きな問題となっている恵方巻きを始めとしたフードロスの問題などの解決に向けた動きがさらに必要だと述べた。

今回はテーマが「消費者志向経営」ということもあり、プログラムのほとんどが今回で2回目となる「消費者志向経営優良事例」の表彰と受賞企業と、第一回の受賞企業も含めた各社の事例発表で締められていた。

今回の受賞企業は以下の通り。

<内閣府特命担当大臣表彰>
 広沢自動車学校
<消費者庁長官表彰>
 サントリーホールディングス株式会社
 日本生命保険相互会社
 花王株式会社

最優秀に従業員数わずか約40名の徳島の自動車学校を消費者庁が選んだのは妥当だし、当然だ。
全国の中小企業でもSDGsに取り組めるということ、どんな事業、どんな企業規模でもSDGs達成に向けて行動に移すことができるし、今それが日本に必要だということを表しているように思う。

SDGsを取り入れられない企業はない

広沢自動車学校は、特別なことはしていない。

お客様にとって何が必要なのかを従業員全員で考え、従業員一人ひとりが考えられる人材になるために目指す先である理念や行動指針を示す。
お客様の声を聞いて、それを経営に反映させている。
サステナブル経営をもともと実践していて、SDGs達成と絡ませて発信している好事例だと思う。

言い換えると、サステナブル経営を本来どの企業でもしているはずなのだから、すぐにでもどんな企業でも「SDGs達成に向けて取り組んでいる」と言えるはずだ。
だからこそ、言えない企業に対しては、今後消費者からの信用度は下がっていくのは明らかだ。

消費者思考という名の「消費者コントロール」

その他の受賞企業は大手企業が名を連ねたが、一部の内容には「自社が置いていかれないようにSDGsを取り入れている」というような発言が使われいた。自社が選ばれるためのツールと思っているのではないかと非常に違和感を持った。すごく雑に言うと、冷やし中華始めました的に「SDGs始めました」で消費者を呼ぼうとしている気がする。
改めて確認だが、サステナブル経営は消費者からの信頼を「裏切らない」経営であって「勝ち取る」ものではないはずだ。

また、言葉の片鱗から、顧客を上から見ているような印象も受けた。
消費者の課題を解決するための事業ではなく、
消費者を自社に向かせる、自社を選ばせる、という思惑が見え隠れする。
サステナブル経営と言っているようで消費者をコントロールしているように捉えてしまった。

もちろん企業の戦略として何ら問題はない。
間違いは特にないのだ。
しかし、サステナブル経営というのであれば、企業と消費者の間にある「矢印の向き」がなんとなく逆に見えるのは私だけだろうか。
私と同じく思った人は、あの会場で他にいただろうか。

SDGs達成を心から目指し、本当に誰一人取り残さない社会に向けて取り組んでくれる企業がもっと世の中に生まれてくることを願う。



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MONA&Co.として広報・PRライターをフリーランスでやっています。今年のテーマは「挑戦」。去年は「自分との対話」でした。広報が大好きです。