私は、「私」が好き。
はじめに伝えたい。
私は世界で一番、「私」のことが好きだ。
二重と奥二重でアンバランスな鳥目だし、団子鼻だし、歯並びも悪ければほうれい線も深いし万年小太りの短足だけど。
私は世界で一番、「私」のことが好きだ。
口調はキツいし、性格もキツい。白黒ハッキリしないと気持ち悪くて、せっかちで、神経質。
それでも私は世界で一番、「私」のことが好きだ。
自分に対してコンプレックスは山ほどある。
だけど私は、愛されていた。
家族、友人、恋人。みんなが「私」を受け入れ、肯定した。私が私であることが素晴らしいと、口揃えてみんな言った。
昔、イジメに遭ったことがある。何が気に入らなかったのか未だにわからない女子特有の「順番に無視」。その順番の期間が私だけ長かった。女子みんなに無視され、たまに鬼ごっこに誘われたかと思えば、後ろから鬼に追いかけられ足の遅かった私は容易く捕まった。捕まった後は、そこら辺に落ちていた落ち葉を頭から大量にかけられた。服の中に入る落ち葉、親にそんなこと知られたくなくて全部落として帰ったはずなのに、脱衣所で服を脱いだ時に隠れていた落ち葉がたくさん出てきて、泣いた日もある。
学校へ行きたくない
もう生きたくない
そんな風に思う日は、数え切れないほどあった。
四年間付き合った恋人に浮気され、酷くやつれた時期もあった。
それでも私は、生きていた。
私は「私」が「私」であることが嬉しくて、生きていた。
人間、生きていると良いこともある。
両親はとても仲が良く、毎日笑顔の絶えない家庭だった。私よりも性格のキツい姉だけど、そんな姉でも誰より私に優しかった。いじめられた過去はあるけれど、その先に出会った友人はみんな可愛くて、自分を持っていて、私にも優しくて時に厳しい、素敵な人たちだった。浮気された過去はあるけれど、その後に出会った人は誠実でちょっぴりドジだけど可愛くて一緒にいると安らげる人だった。
話は戻るが、私は「私」が好きだ。
自分を好きになる方法は簡単で、きちんと"「相手」を愛すことが出来る"ことだ。
私は家族が好き。友人が好き。恋人が好き。
大好きなみんなが「好きな私」のことが、私は大好きだ。
なんの取り柄もない私だけど、私は「感謝」を忘れない。いじめられていた時に話しかけてくれた友人。学校へ行きたくないと言った私の話を、何時間も、何日も掛けて聞いてくれて、一緒に悩んでくれた家族。他にも相手が私に愛を持ってしてくれたことを、私は忘れない。
だから私は「私」が好き。
他人を羨むよりも、妬むよりも、私の世界で「私」にしてくれたことを感謝して、喜んで、同じ分だけ返したいと思える自分でよかった。そんな自分を育ててくれた家族が好き。受け入れてくれた友人も恋人好き。そんな人達が居てくれるだけで、私は「私」を受け入れ、肯定できる。私は「私」を好きになれる。
数は少なくていい。
その少なくとも向けてもらえた「愛」は、
必ず「私」を幸福にする。