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無理ゲー社会/「君の名は」から「天気の子」

おはようございます、もんです。数日前にもチラッと触れましたが無理ゲー社会という本が良かったのでまとめておきます。

橘玲さんはリアリストですね

橘玲さんの本は、出てるとついつい買ってしまいます。出会いは”日本版金持ち父さん貧乏父さん”と呼ばれている「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」です。投資や財テク、お金の考え方について学びたくて読み始めたので最初はこれ以外にも投資関連の本も参考にしていました。

最近は「言ってはいけない―残酷すぎる真実―」などの本で、世の中は自己実現やありのままの自分を大事にしようという風潮の中、遺伝や格差など現代社会のリアルについて書かれている本が多い印象です。「2億円と専業主婦」はある意味話題になってましたね。

そして今回の本

今回の本は現代社会の真実に切り込む話です。

人生の攻略難易度はここまで上がった。
〈きらびやかな世界のなかで、「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲーム(無理ゲー)をたった一人で攻略しなければならない。これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルールだ〉(本書より)

終身雇用、年功序列社会の崩壊、自分探しの旅、そういう現代社会は実力で評価されるという良さはあるものの果たしてそれが本当に良いものなのか、考えます。

冒頭では新海誠作品の「君の名は」と「天気の子」の思想の違いから現代人は”自分らしく”、”自由に”、生きることを良いとしている、世界がリベラルになっていることを指摘しています。私はこの週末偶然にも「天気の子」を観ていましたが、お友達に勧められたのもあったのですが無意識にこの本にも影響受けていたようです。君の名はも大好きで4回観て2回泣いてました。2作品を見て、なんとなくの変化、今までの新海誠作品は世界にのまれて自分たちの意思や恋愛が消えていく印象だったけど天気の子は真っ直ぐだなーーーって感じていました。しかし橘玲さんのようにこれをリベラルと言語化していくのはやはりすごい。

現代社会では夢を持つことが良いとされているため、最近は夢のない人に対してドリームハラスメントなるものも出ているとか。

作品内では朝井リョウさんのデビュー作「桐島、部活やめるってよ」と今年第42回吉川英治文学新人賞受賞作品を受賞した加藤シゲアキさんの「オルタネート」も比較しています。同じ学校の話でも10年違うと学生の人との繋がり方が変わってくるという比較で紹介されています。

リベラルな考えや、能力主義だと、低学歴でなかなか正社員になれない人がいても「自分でその学校を選んだから仕方ない」という自己責任論になります。しかし、いくら学歴は努力とはいえ、遺伝や環境が全く影響しないとなると嘘です。(この辺りは橘玲さんの昔の著書でも触れられています)作品内ではこの差を知識格差と呼んでいます。この議論はマイケル・サンデル氏も新刊「実力も運のうち 能力主義は正義か?」で唱えていますが、答えが出ていないのが難点です。

この考え方の社会で、少子化問題に対策するとしたら、低所得層は子供を作ることも難しいため一夫多妻制にして富裕層がたくさん遺伝子を残さないといけないという考えもなるほど〜となりました。

恵まれない人にも平等に生きる権利を与えようとすると、ベーシックインカム制度が考えられますがそれを取り入れようとすると、富裕層の税金からとなります。つい最近の某メンタリストさんの炎上を思い出しますね。

結論が難しいのですが、私は私のできる世界で花を咲かせる・・・しかないし周囲と比較したら不幸になってしまうある一定の割り切りが必要なのではと思いました。






拙い文章にありがとうございます!!精進します。