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#東京オリパラより命を守れ!⑤「五輪による過労自死を防ぐために今すべきこと」

 「東京オリパラによる医療崩壊をくい止めるには」と題したzoomウェビナー(7月3日開催/主宰:泉町書房)で、5人目めにお話してくださったのは、中原のり子さん(東京都過労死を考える家族の会元代表)。

 中原さんも、「日本の医療崩壊をくい止める」でインタビューさせていただいたおひとりだ。

◆ワクチンの供給不足が現場の開業医や患者にもストレスを与えている

 中原さんは、いまから22年前の夏、小児科医だった夫を過労自死で亡くして以来、「二度と同じような犠牲を出したくない」との思いで、声をあげてきた。
 前出の後期研修医の前島さんは、東京大学在学中に中原さんの講演を聞いたことがキッカケで、東大を退学。「こんなひどいことがあるのか。現場から医師の世界を変えたい」と筑波大学医学部に入りなおして医師になった経緯がある。
 ご自身も医療関係者である中原さんは、この日、東京オリパラに関して、こんな話をしてくれた。
「7月、8月は、私も都庁で行われるワクチンの集団接種の手伝いに行きます。都は、築地にも集団接種会場を作っていましたが、オリンピックの準備に使うということで、閉鎖されれてしまいました。さらに東京都は、立川会場や丸の内でも集団接種をしようと予定していますが、すでにモデルナのワクチンが供給不足なのでファイザーに変わると聞いています。
 一方で知り合いの開業医からは、ファイザーの供給が不足していて在庫がないという悲鳴も聞こえています。日本は、オリンピック開催までに現役世代の接種が間に合わないのに、こんな状態で開催していいのでしょうか」

 また、現場でワクチン接種に奔走している医師たちのことも、中原さんは危惧している。
「国からのワクチン供給不足に加え、「患者からは、『クリニックが混んでいる』『待たされる』と言った苦情を受けることが多いようです。なかには怒って帰ってしまう方もいるようで……。普段は温和な看護師さんが、急にイライラして怒り出すなんていうこともあるようです。かなりストレスが溜まっているのでしょう。私の知り合いの医師は、『コロナと対峙できるなら本望だ』なんて言っていましたけど、アドレナリンが出続けているような今の状況が長く続けば、心身の健康を害してしまいかねません」

 中原さんが指摘するように、医療従事者といえども、いつ心身の状態を崩してもおかしくない。そのうえ、東京オリパラ開催で、一層の負荷をかけることはあってはならない。

中原のり子さんのお話は、下記から動画でご覧いただけます。(約15分)ぜひぜひご覧下さい!


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