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#東京オリパラより命を守れ!③「コロナ禍における都立病院の役割〜五輪開催で都民の命が危険にさらされる」

「東京オリパラによる医療崩壊をくい止めるには」と題したzoomウェビナー(7月3日開催/主宰:泉町書房)で、3人目めにvideoメッセージをくださったのは、大利英昭さん(東京都庁職員労働組合・病院支部書記長/駒込病院看護師)。https://twitter.com/dairi_h

 大利さんは、約1年前にもインタビューしており、今年2月に発刊した「日本の医療崩壊をくい止める」に登場してくださっている。

◆感染が拡大するのをわかっていて五輪強行するのは〝倫理違反〟

 大利さんが勤務する「がん・感染症センター都立駒込病院」は、昨年2月〜6月までの間に感染症病棟を通常の10倍ほどに増やし、柔軟にコロナ患者を受け入れてきた。
大利さんご自身も、昨年3月からコロナ病床に転換した病棟で勤務していたが、当時は「あっとういう間に病床がいっぱいになった。忙しくてあまり記憶がなく、気づいたらゴールデンウィークが終わっていた」と振り返る。
 昨年秋から始まった第3波では、高齢者施設でクラスターが多発していたため、認知症を患っている高齢者や、寝たきりに近いかたなどを都立病院で多く受け入れた。
 今年4月から始まった第4波では、「大阪のひっ迫した状況を見ていたので、かなり緊張していたが、緊急事態宣言が早めに発出されたからか、なんとか乗り切れた」という。
 いま、大利さんがもっとも心配するのは、言うまでもない東京オリパラによる感染者の拡大。それに伴って増える〝重症者〟だ。

「尾身茂会長らも参加する〝専門家有志の会〟が出した提言を見ると、緊急事態宣言の解除や五輪で人流が増え、さらに感染率が高いデルタ株の影響を考慮すると、8月下旬には都内の感染者が500人を超えるという試算が出ています。これまでは、もっとも多いときで都内の重症者は約160人でした。500人も重症患者が出れば、都内のICUがコロナ患者で埋まり、それ以外の患者を受け入れられなくなります。つまり〝医療崩壊〟です」

 「都立病院は東京オリンピックの協力病院になっているので、五輪が始まれば『関係者のためのベッドを確保してほしい』という話もくるでしょう。しかし、もちろんそんな余裕はありません」

 さらに、こうした状況下でも進められている、都立病院の独法化の問題点も、こう指摘してくれた。
「これまで独法化された病院を見ると、(労働環境が悪くなったことで)職員の離職が早まっています。これでは人材も育ちません。結果的に医療スキルの低下につなり、市民に不利益 を被ります」

 最後に、東京オリパラによる医療崩壊をくい止めるにはどうすればいいのか。
「五輪を止めるしかない。かりに400人新規感染者が増えれば、2週間後にはそのうちの約20人が重症になりICUに入る。さらに、そのうち5人は命を落としてしまうのです。五輪を有観客で行えば感染者や重症者が増加する、という専門家の提言を無視して開催するのは〝倫理〟に違反します」

 大利さんは、「いまからでも五輪を止めよう」という声をあげるしかないと訴えた。
 
 大利英昭さんのお話は、下記から動画でご覧いただけます。(約20分)ぜひぜひご覧下さい!


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