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ASAYAN世代の私がNiziUのオーディションを見て思ったこと

J.Y.Parkことパク・ジニョンを初めて見たとき、なんて胡散臭そうな業界人だろうと思った。

スッキリ(日テレ)で次世代のガールズアイドルグループ結成のためのオーディション番組を特集していたのだが、そのプロデューサーがJ.Y.Parkだった。ちょいムキムキ、鎖のネックレス、サングラス姿でロスがどこかを闊歩しており、どうにもチャラい。どうにも好きになれないタイプだった。

そのJ.Y.Parkが作る次世代ガールズグループのオーディションの様子をHuluで放送し、そのまとめを毎週日テレの「スッキリ」で放送していた。

生暖かい目で何気なくそのオーディションの様子を見始めたところ、私は後にNiziUと呼ばれる女の子たちにドハマリした。これは「スッキリ」にたまたま出ていた武田真治が言っていたのだが、これに猛烈に共感。いわく、

毎回泣ける。

感動して泣く。

まずね、オーディションのレベル、めちゃくちゃ高くないですか?と。最近の10代の女子って、みんなダンスできて歌上手いの?そして、みんな片言なりなんなり韓国語喋れるの?そこに衝撃を受ける。

あと、まだちょっと垢抜けない感じの15歳の女の子が緊張しながらオーディションにやってきて、J.Y.Parkが目の前にいてガチガチになりながら、一生懸命歌ったり踊ったりする。それだけで泣ける(お母さん目線か?)そして、まだどことなく子どもっぽいなあと思ってた子が、曲が鳴ると人が変わったみたいな圧倒的な歌唱力だったりダンスだったりする。それもかなりグッとくる。

さらに、それを見たJ.Y.Parkが、もうね、顔芸、すごいから!そっちが気になるから!ってくらいのリアクションで驚いたり感動したりするのだ。

何が泣けるかって、J.Y.Parkのね、女の子たちにかける言葉がとにかく嘘がなくて、真摯なのだ。そして、究極の褒め上手。

歌やダンスの技術面を的確に褒めるほか、あなたはスターそのものです、とか、アイドルになるために生まれてきた子だ、とか。歌もダンスもイマイチだけど、あなたのことが家に帰ってからも忘れられないでしょう、とか(なんだかわからない魅力がありますよということ)。とにかく、褒め方のバリエーションいくつ持ってるの?と。聞いているこっちが嬉しくなって泣ける。こんな風にいいところをとことん褒めてもらえたら、人はどれだけでも頑張れるだろうと思った。私も若い時にこういう先生に出会いたかった。

この辺りで私は気がつく。J.Y.Parkはオーディションしている側なのにほとんど偉ぶることがない。部屋に入ってきた子に「会えて嬉しいです」とニコニコ話しかける。この姿勢がめちゃくちゃ素敵だなと思った。ちょっと好きになったJ.Y.Park。変なピタピタの服着てるけど。

さらに、私はふと日本の伝説のオーディション番組ASAYANを思い出した。ASAYANでのモー娘。誕生の際と比べてみて感じたのは、当時のモー娘。はド素人並みに歌もダンスも下手くそだった。かれこれ20年前であること、モー娘。はそもそもオーディション落選組で作られたグループなのでレベルが低いのは当然であることを差し置いても、NiziUのオーディションを受けていた子達はすごかった。歌って踊れて、しっかりした受け応えができる。

それと、モー娘。はデビューするためにはCDを5万枚売れ!などと「それはタレントの仕事じゃなくね?」という謎のスパルタがあり、ファンの貢ぎがあってCDを売りきったりしていて、純粋に彼女たちの歌の力で売れたのか疑問だった。

何が言いたいのかというと、握手会や投票券付きCDを使った戦略が当たり前な日本のアイドル業界を見ていて、それが大人によって作られた「偶像」=アイドルなんだと思っていた私にとって、NiziUの子達の実力や努力や覚悟の決め方に度肝を抜かれたのだ。

実は私、どちらかというと嫌韓だ。

何かというと歴史問題持ち出してくる韓国。サッカーの日韓W杯での反日パフォーマンス、BTSの原爆Tシャツ。かつて噂された「カンナムスタイル」のF5連打疑惑(YouTubeの再生回数稼ぎ)など。K-POPアイドルが日本や世界で活躍していることについて、どうかしていると思っていた。

でもね、今回NiziUのオーディションを見て、韓国アイドルに憧れる10代の子達の気持ちがとてもよくわかった。NiziUを好きになったきっかけで他の韓国アーティストの動画をひたすら漁って見てみたが、歌もダンスもめちゃくちゃうまい。大人のセクシーさがあり、可愛らしさがあり、かっこよさがあり、自信にあふれていた。これは私個人の見解だが、AKBや乃木坂なんかは可愛らしさと純粋さを全面に出しており、男に媚びる姿勢があるように思う。どっちが素敵?どっちになりたい?と思った時に、前者に憧れる子が多いのは当然だと思った。

J.Y.Parkはオーディション中に候補者たちに対して「謙虚、誠実、真実、この3つを忘れないように」と語っていた。また、各ミッションごとに1人ひとりにどこがよかったか、どこがダメか、的確に伝えており、「見出した子はちゃんと育てる、成長させる」という姿勢を感じた。オーディションの審査対象にはトレーニング態度も含まれており、トレーナーのアンケートも反映されているらしかった。そういうJ.Y.Parkの考え方とやり方にも感銘を受けた。

実際、オーディション最後の韓国合宿に参加した子はみんな、ルックスも中身も一皮むけていた。参加者同士で変ないがみ合いもなく、励まし合いながら成長していて、見ていてストレスがなかった。

今回私がファンになったアカリちゃんは残念ながら最終審査で落ちてしまってショックだったけれど、J.Y.Parkに半年に渡って特訓を受け、見違えるほど成長していた。それは、彼女にとってかけがえのない財産になるだろう。

まとめると、J.Y.Parkすげー、NiziUこれからも応援したい、アカリちゃんも次のチャレンジ絶対頑張って!!!