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ゼロ初心者がはじめる、はじめてのモジュラーシンセ〈第7回〉

初ライブ終わりました!
たくさんの方々にお越しいただき、誠にありがとうございました。

初ライブの演奏は30分でした。
すべてのパッチを抜いて、オシレーターから三角波だけを出してはじめました。
(最初の写真にパッチされてるのは、マルチプルにスピーカーへの出力とミキサーのOUTをさしています)

左の写真からパッチしながら演奏をして、30分後には右の写真のような感じ。

今回、シーケンサーがなかったのでDLDのclock outと、loopA/Bからの信号を使ってみました。

途中、追加でパッチしたケーブルをミキサーじゃなくて直接マルチプルにさしちゃって、音消せないじゃん……ってなったり(あせったのですが、他の音わって出した隙に抜きました)、緑のケーブルの接触が悪かったみたいで、途中触ったら突然音が出ちゃって冷や汗流したりしましたが(その瞬間まではミキサーのつまみあげても音が出なくて、なんで?!ってなってました)、最後の終わり方は練習してたとおり、Hikari Ping Filterのノイズでしゅわしゅわっと終わらせることができたのは嬉しい瞬間でした!

ライブのために追加したモジュールはこちら。
【マルチプル】信号を分岐させる
【ミキサー】信号をまとめる

何もない状態から、ひとつの音を出してそこから発展させるというのに憧れてて、それがやりたかったのですが、演奏中に無音になってしまうのは嫌だったので、同時にたくさんの音を出すために追加しました。
そうすれば、ある音を変化させるためにケーブル抜きさししても、別の音をならせておけば無音にならないのでいいかなと。
本当はもっとケーブルをぬいたりさしたりしたかったな、次回の課題とします。

他の共演者の方々、機材がとにかくすごかったです。
音については言わずもがな、とにかくまず見た目のインパクトすごい(何百万〜何千万という金額にもびびりました)。
それぞれ機能美を備えたラックに、モジュラーシンセがぎゅっとつめこまれ、そこにカラフルなあるいは1色に統一されたケーブルが密生してる様は壮観です。
多様な形のつまみやボタン、金属版に印刷された文字にライトの規則的な明滅、それらを血管のようにつなぐケーブルが自在に差し替えられ、音がうつりかわっていく様には、無機的な機材でありながら匂い立つような生々しさがありました。

それで、なぜかモジュラーシンセに内臓を想起しました。
複雑な機構と複雑な機能を備えたモジュールのひとつひとつが脳、肺、心臓……みたいにそれぞれの働きを担う血と肉みたいで、骨格に組み込まれた様は生き物みたいだなって思いました。
心臓の自動能も電気の信号だし、動かそうとする意識なくして律動を生じるのは、鍵盤や弦にふれずとも音が生じることにも似てる気もしないこともない?
でも、複雑につながれたケーブルの間を縫って、的確に操作し音を操る指先を見ていると、それはテーブルの上にじっと横たわる独立した生き物というより、奏者の身体が拡張されたようなイメージが浮かびました。
身体の外側に人体が取り出さているような。

そして、何よりおもしろかったのが、音の展開です。
モジュラーシンセの演奏の肝要は、音の展開なのではという信念をまずはもってみることにして目標としているので、それに注目してみなさまの演奏を聞いていました。
展開の仕方って、こんなにいろいろなアプローチの仕方があったのかと、目から鱗でした。
物語の類型なんかでもそうですが、どうやって新しい型を発見していくかというところに興味があります。
モジュラーシンセはじめたばかりで、まだ発見どころか発見するための島の土すら踏めてないのですが、自分ひとりでモジュラーシンセ触ってたんじゃ絶対気づけなかった音の捉え方にたくさん出会えて興奮しました。

それで、ついつい癖でノートとペンをだしちゃってメモ取りながら聴いてたら、めずらしがられてしまいました。
確かに、おかしいんですけどね(笑)。
メモ好きなので、映画見てても芝居見ててもメモしちゃうので、割と日常。
大したことは書いてないし、読み返せないような走り書きだったりするんですけど、書くと落ち着くんです。

演奏したあとに機材についてお話聞くのも楽しかったです。
全然知らないモジュールのことをいっぱい聞けて、こんなにいろんなことができるんだ!って世界広がりました。
なんか、音とか、電気って、なんでもできて無限だし宇宙じゃんって思いました。
突飛な話ですがそれってすごくて、私は今までの人生で言葉にしかそれを感じたことがなかったんです。
だから、本を作ってきたし、言葉を使った仕事や創作をしてきました。
つまり、ここにきてふたつめの宇宙が生まれた感じです。

共演者のみなさま、お越しいただいたみなさま、私のつたない演奏をじっと聞いてくださり、誠にありがとうございました。
演奏を聞いたり、自分で弾いたりが楽しかったのももちろんなのですが、まだモジュラーシンセはじめて2週間の私にこんなチャンスと経験をくださったことが本当に嬉しいです。
これからも、というかこれからどんどん精進します。
あらためまして、はつライブ、ありがとうございました!

第7回はここまで!次回続。

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