病気を抱えて祈る

二度目の精神病院入院の時、ある男の子がいた。
喫煙室に時々来る小柄なその子は、精神病だけでなく、心臓かどこかに疾患があり、上半身から薬剤のチューブが見えた。
薬の副作用なのか、髪の毛があまり無く、タバコを持つ手も喋る声も震えていた。
彼はある日私に言った。
「このチューブが取れたら僕は死んじゃうんだな、って思うんだ。」
と。

私は胸がいっぱいになって言葉を失った。

私は退院してライブや買い物に行けた。
でも、
でも、
あの男の子は今どうしているだろう。

皆が皆、健康に生まれてくるわけじゃない。

いつなんどき、病気や障がい者になるかわからない。

多少体が重くつらく感じても、生きる喜び。
手足の動く喜び。
見聞きできる喜び。
言葉を喋られる喜び。
たとえレトルトの冷凍食品でも、一日の糧のある喜び。

あの男の子の命が、今もこれからもありますように。

私の命が、
みんなの命が、
今もこれからもずっとありますように。

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