最近考えているコト #32

 いつかきっと、全て忘れてしまうから。辛くて苦しい今の気持ちも、全部全部。誰かが覚えていてくれるようにそっと書き残しておこうと思う。

 好きな人がいる。その人と離れ離れになる、かもしれない。予定は未定で、だからこそ苦しくて、気付いたら寝れなくなっていた。酒に頼ろうとしてもぶつかった生理が重くなるばかりで途中で諦めた。布団に入った途端涙が出た、こんなことは高校生の時の本当に鬱が酷かったとき位で、もうどうしようもないところまで来てしまったのかもしれないと思った。彼女に迷惑をかけないために処方してもらった頓服を飲み下して仕事をした。こんな形で役に立つなんて思わなかった。
 彼女に出会ってもう2年の歳月が経とうとしていた。初めて会った日の帰りにポニテのどタイプの美女がおった、なんてふざけたツイートをしたことを昨日の事の様に覚えている。あの頃から彼女への好意は一度も変わることはなかった。

 彼女から沢山の物を貰った。もしかしたら貰いすぎてしまったのかもしれない。
 当たり前に恋愛ドラマが楽しめる母と妹が羨ましかった。乗り切れない私に妹はお姉ちゃんはひねくれているんだ、なんて言うから恋が分からないことは駄目なことなのだと錯覚していた。けれどいつからか、巷の恋愛ドラマを見ていて、ずっと読んでいたBLマンガを・小説を読んでいて、ふと彼女の顔が過るようになった。それだけで胸がぎゅっと苦しくなって、甘く痛んで、私に恋とはどういうものなのかを教えようとしていた。少しだけ、世間が言う恋が理解できるようになった気がした。それだけで私の世界は大きく変わったのだった。結末が分からなかった映画が理解できるようになった、ラブロマンスが面白いとは思えなかったけれど話として納得はできるようになった。私にとって大きな、劇的な変化だった。世界が大きく、大きく広がったのだ。彼女は、私に感情をくれた。好きという感情を、誰かを好きになるという喜びも、痛みも、苦しみも全部全部、彼女がくれたものだった。
 この間、友人と映画を観にいった。その前日、私はもう彼女と重ねたくないと泣いた。電話口に友人に泣きながらそう言っていた。私にとってのラブロマンスの答えは全て彼女で、もうそれが苦しかった。

 彼女に沢山のものを貰った。貰いすぎた。だから彼女を失うことの意味を、まだよく理解できないでいる。どれだけの痛みを、苦しみを想像しても、きっと現実には敵わない。このことが起きてしまったらきっと私は大きな何かを失ってしまう。その何かが、あまりにも大きすぎて想像できない。だって彼女に貰ったものの全容を、私はちゃんと把握しきれないでいるから。失いたくない失いたくない失いたくない。なにも望まないから、ただ傍に居させて欲しい。手が届く距離に、それだけでいいから。お願いだから。
 もしもこれを恋だと定義するのなら、今の私に迫っているのは世間が失恋と定義するものかもしれない。そうなった時に、自分がどうなるのか、全く想像がつかない。

 唯一、私の気持ちと彼女本人を知っている友人と、昨日一緒に帰ってきた。泣きそう泣きそうとは言っていたのだが、家に着いた途端泣き始めた私に友人とは場を和ませるように少し笑いながら話を聞いてくれた。そして友人とは何度も私には救えないからなぁと言った。そう、これ私の問題なのだ。彼女すらも関係ない、私だけの問題。

 あと数日で運命が決まる。本当に異動になったら私何するか分かんないからみんな止めてね。

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