私を助けてくれたのは、〇〇先生と成仏出来ない幽霊でした。 Part3
あの日、、
まおちゃんが飛び降りようとした日から3日が経ちました
茉央:そうなのっ!!めっちゃ美味しいのっ!!だからまた築地に行こうと思ってて!
瑛紗:えー、いいなぁ!築地!!
茉央:てれちゃんはやっぱここから出れない?
瑛紗:うん、ここもでれないし、成仏もなんでかできないんだよねー笑
茉央:出れるなら一緒に行きたいのにー!
瑛紗:もうっ!なんで出れないのよー笑
茉央:笑笑
まおちゃんとは放課後にここ(屋上)で毎日のことを話すのが日課になっていた
前よりも笑顔が見えるようになってきていました
名前も"幽霊さん"から"てれちゃん"に変わった
ただ…
私は気づいている
根本的な解決は何ひとつしていないことを。
だって、
まおちゃんのカバンの隙間から見えるノートが全てを語っていたから
瑛紗:ねぇ…
茉央:うん、なに?
瑛紗:担任の先生は無理だろうけど、家族とか他の先生とか"助けてください"って言える人本当にいない?
茉央: ……
瑛紗:いるんだね!!だれ!?
茉央:となりの…クラスの先生…
瑛紗:となりのクラス担任?
茉央:うん、休みの人にプリント届けたり、追試で分からない子には一緒に教えたりしてる
瑛紗:なにその鑑みたいな先生 笑
茉央:すごいよねっ笑
瑛紗:言おうよ、その人に相談してみようよ。
茉央:ううん…やめとく…
瑛紗:え?なんで
茉央:失敗したらもっとイジメられるからっ…
瑛紗:で、でも、、、
茉央:いいの、私は今のままでいいのっ!
瑛紗:でもこのままじゃまたイジメを…
茉央:なんで、そんなこというのっ…
瑛紗:それは…まおちゃんのためにっ!
茉央:だったら口出さないでよ…
瑛紗:ご、ごめん…
茉央:あっ…私こそ、ごめんなさい。
瑛紗: ……
茉央:きょ、今日はもう帰るね…
まおちゃんは逃げるように屋上から走り去って行きました
瑛紗:(私…余計なこと言っちゃったかな…)
そんなことを考えながら手すりにひじをついて夕陽を眺める
沈んでいく太陽
どんどん暗くなる景色は私とまおちゃんの気持ちを表しているようでした
そしてこの嫌な予感はすぐに的中するのです
私を助けてくれたのは、〇〇先生と成仏出来ない幽霊でした。 Part3
それは次の日、昼休みが終わり5限の時に起きた
先生:5限の前に少し皆んなに話がある
生徒:何かあったんですか?
先生:クラスメイトの1人が財布がなくなったと言ってるんだ…
不良1:うわっ、まじかよ!!
先生:もし何か知っていたり、見つけたら誰か教えてくれ。
不良2:おいおい、だれだろうなぁ〜(チラッ)
茉央:??
先生:とりあえずは授業を再開するぞ。それじゃあ前回の続きで資料集46ページからなぁ!
チラチラっみてくる不良たち
それを不思議に思いながら五百城は引き出しから資料集を取り出す
茉央:(うん?机の中に何かある…)
見覚えのない感触
資料集と一緒に机の中にあったのは"財布"でした。
茉央:え、なんでここに…
不良3:先生ー!五百城の机に何かありまーす
茉央:え、、
先生:おい、五百城それって!!?
茉央:し、知りません!!いつの間にか机にっ!!
こうなってしまえばあとは簡単
次々と不良は『五百城が犯人だ』と声を上げていく
茉央:私、こんなことしません…しりません…
周りに助けを求めても誰も助けはしない
だって五百城を庇ったら、
次は自分がイジメられるから…
先生:五百城、放課後職員室に来なさい
五百城:そんな、、、私じゃないです…
この先生が本当に五百城を犯人だと思っていたのかは正直、分からない
ただ、五百城には…
"先生が私を犯人扱いしている"としか思えなかった
不良1:あーあ、クラスに泥棒いるとか最悪だわ
不良2:やばくね?退学でしょ、た・い・が・く!
不良3:あの可愛い五百城ちゃんがなぁ笑笑
五百城にとって
この5,6限は地獄でしかなかったと思う
ずっと涙を流し…じっと我慢していた
そして、放課後になると彼女は全力で自分の居場所のなくなった教室を出て行った
生徒:〇〇先生さよならー
〇〇:さようなら!気をつけて帰れよー
五百城:(もうやだっ!)
○○:おいこら、五百城!
五百城:(私やってないのに…っ)
○○:廊下は走っちゃいけないって前に…
五百城:(やだやだやだやだやだ)
〇〇:おい、待ちなさいって…ん?
五百城:(死んでやるっ)
この時の五百城は
私を無視して走り去って行きました
ポタポタ と床に水滴を落として…
つづく
Part4
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