最近のこと
実家に帰ることになった。
いつかは、と思っていたが
予想よりも早く、関西での生活は幕を閉じるようだ。
こんな世情で、知らない土地で
ひとり暮らしで……
一見さみしそうな半年は、
涙が出るほど濃密な半年だった。
今日も、お昼にパン屋さんに行った。
私のことを覚えてくれている店員さんがいる。
私の顔を見ると、私が何か言う前に
イートイン用のトレーを出して
ホットコーヒーを淹れてくれる。
必要以上のことは話さない。
けど、その人が淹れてくれるコーヒーは
丁寧で温かく、美味しい。
私が来なくなっても、
この店員さんにとっては変わりないだろう。
でも、
このパン屋さんを、このお姉さんを、
私はずっと忘れないんだろうなと思う。
ふとしたときに、思い出すと思う。
そんな人になりたいと思った。
思い出すだけで、ただ優しい気持ちになれる人。
そんなお店を、いつか私も
作ることができたらいいなぁ。
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