見出し画像

ベランダに 布団と一緒に干す 自意識。


自分が変わったのか時代が変わったのか、たいがい区別できない。

布団を外に干すことが何かハズカシイと感じるようになったのも、自分の感覚が変わったのか、時代の気配が変わったからなのか、わからない。

ともかくしばらく前までは、ベランダに何を晒そうが、それは人の目でなく陽に晒していたのだった。


今はどうだろう。
男一匹布団干し。
何をいじらしく恥じらうのか。


そんな心持ちだからこそ、布団を盛大に干した日は自分の自意識に克ったような気がして、干した布団の心地良さより「ベランダに布団を干してやりましたぜ」という行為への誇らしさの方が気持ちいい。


生涯布団に寝たいとも思わない鳩が、電線から布団と私の様子を見ている。

私の布団が好きな犬は、布団のなくなった部屋について考えを巡らせている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?