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オー新世界~これからの世界の距離やお酒、においの話(酒場コラム更新と共に)~

連載している酒場放浪コラムの第6回が更新されたので
ここでもご紹介しておきたいと思います。
「旅と思索社」様の「Tabistory」にて連載させていただいてるものです。
Blogでも【コチラ】の記事に書きましたが、
noteにも違った点からよせて書きたくなりまして……。
(連載のリンク先はこの文章の一番下に貼りますね)

昨日、某放送局への行き帰りに通った梅田の街はなんだか別世界でした。
ちょっとびっくりすると同時に、いろんなことを考えてしまいました。

大阪が誇るデパートたちや梅田の某巨大書店の前には
従業員さんやらその偉いさん的な人がたくさん立ち、物々しい雰囲気で
「入口」と「出口」を指定し、手指の消毒などの注意と案内を大声でしていて。
びっくりするくらいお客さんが群がっていました。
これまでのように〝ふらっと寄ってみて、ふらっと出る〟なんて出来ない雰囲気を感じました。

とはいえまだ「アフターコロナ」じゃないねやろなあ。
なんかもう終わったかのように街は人であふれかえっているけれど、終わってはいないんだ、きっと。
私的には、今、なんだか映画とかであるクライマックスの戦いが終わって、主人公らが「(戦争は)終わった……のか?」とつぶやくみたいな気分です。
(イメージしていただけるでしょうか?笑)
終わってないし、しばらく終わらない、いろんなことが変わってゆく。

誰か脚本家さんがTwitterとかで言うてたのを思い出しました。
「この先、ドラマの中にキスやハグシーンはなくなってゆくのかも」
ああ、そうなんかもしれへん。
恋愛どうこうでなくとも、
肩を寄せ合ったり(という距離感)、触れ合ったり、握手したり、
チョケてコツいたりドツいたり、
そういうこともこれから意識してなくなっていくのかもしれない。

と、考えた時、ふと、酒場での風景ももしかしたら変わってゆくのかも……
酒場や酒というものに対する想いや皆の使い方も変わってゆくのかも……と思いました。

今までのように「お酒を呑んで誰かとコミュニケーション」という形は
なくなったり減っていくのかもしれない。
うん、仕事や接待などの面倒くさい〝飲みにケーション〟(古!)はいらんねん。ない方がいいのかもしれない。
これによってセクハラやパワハラのいくらかは減るやろうし(笑&真顔)

せやけど……
お酒って、お酒の席や、誰かとお酒を呑むことって、
勿論、味が美味しいとかあるのかもやけど、
人と人の心の距離とか、そういうのを、お酒ってもので、近づけたりする場……だったのだと思うねん。
というのはきっと古来から今に至るまであった考え方ややり方なんやろう。
さて、これから、いったい、どうなっていくのかな。やっぱり変わってゆくのでしょう。

皆で近い距離でわいわいと、とか、お酌とか、
まわし呑み(これは私の学生時代の劇団の全く不要な、でもおもしろかった伝統。笑)とかもなくなったり減ったり
距離も。今店をあけだしている飲食店(や劇場)は席をまびいて席と席の距離をちょっとあけている。
なんかもうすべての店たちがラーメン「一蘭」的な?!(そこまではないけど)笑。
かわりに各コンビニのお酒コーナーとおつまみコーナーの面積ちょっ広くなりましたね!あきらかにね!
そうしてオンライン呑みも増えていくのかな。
みんなやりましたか?
私もお誘いが来て1回やりました。便利やね。SFやね(何時代の人やねんお前は。笑)
おもしろくないとは言わないけれど、ありがたかったけれど、なんか寂しかったのが本音なんです。贅沢やな。贅沢やけど。
顔は見られる。喋れる(機械苦手やから変に気を遣ってしんどいねんけど)。
でも気付いてん。〝におい〟がないねん。

そう、〝におい〟。
距離ってにおいやねん、たぶん。
食べ物のにおい。人のにおい。雰囲気のにおい。
私がこれまでに公私共に関わってきた旅芝居・大衆演劇は
役者とお客さんの距離の近い、熱と汗の飛んでくるさまから
「体臭演劇」とか言われたりするねんけど、まさに、これみたいな。
におい。雰囲気。実際に一緒にいるからこそ
肌はふれあわなくても第六感(?)みたいので感じる、空気のにおい。いろんなにおい。

お酒のおもしろさ、
いやそれらを含め、人と接するおもしろさ、ってそこなんかな、って思います。そこだけじゃないで。それ(それだけ)が正しいとか正解とかじゃないねんで。嗅がなくてもいいにおい、嫌なにおい、いらないにおいもあるねんから。におわないことは、ええことでもあるねん。
でも、Realやlive、距離、におい、贅沢やけどアナログで頭かたいけど(笑)、私はそれが好きやったし、好きなんやなあ、いいにおいも、嫌なにおいも。

そうして、〝におい〟に惹かれ楽しんできた私たち2人の珍道中は、さて、どうなるのやら。
でも、やはり続くのだと思います。うん、第2章なのでしょう。
勿論、これまでの世界とは違うのだから、以前よりも考えて動かないといけません。
でも、やっぱり、あの〝におい〟を求めて……アホやなあ(笑)

この度のコロナでちいさい呑み屋や
そして、日本でみてみぬふりされているようなちいさな街や貧しいというかしんどい街、
そこに住む人たちはどないしてるんかなと、劇場のこと(ここ最近①~③)と同様、ずっと気にしていました。
個人で出来るクラウドファンディングなどには参加しているのだけれど
ああやはり個人で出来ることって限られてるよな、と悔しがってきました。

まだ大手を振って歩くのは憚られるというか考えたいところではありますが、
もうちょっとしたら、(考えながら)、あの街たちやおっちゃんたち、
〝劇場〟に、珍道中、会いたい歩きたいです。

やっぱり串カツは2度漬けしたいし、通天閣は自由な色に光ってほしい。
オーシャンゼリゼ、もとい、オー新世界。いつもなにか素敵なことがあなたを待つよ新世界!

【心はだか、ぴったんこ~女ふたり、立ち呑みの旅~】

1、 いつも二人で半分こ~女ふたりのはしご酒
2、 ありがとう、おっちゃんたち ~一期一会やなんてベタやけど~
3、 〝お家〟に帰ろう ~ホーム・スイート・ホーム~
4、 思い出のあの味 ~あんなアテこんなアテあったでしょう~
5、 下町にある〝空豆のお布団〟 ~ひとしく、やさしく、あったかく~
6、 またあの〝劇場〟で ~我が良き場所よ友よ~

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まとめページは→ http://tabistory.jp/cat_story/cat_sakabawoman/

※ちなみに、引用した歌詞はベタな方の「オーシャンゼリゼ」の和訳歌詞ですが、私は越路吹雪×岩谷時子ver,の歌詞が好きです、めちゃ好きです(笑)

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