初めから君に恋してる七
七 本当に申し込むの?
きょうは珍しく朝練のない日だったのに、つい、いつものように早起きして、第ニ音楽室に来てしまった。
当然誰もいない。
朝の、音のない世界は、素敵だ。始まりの予感がするからだ。これが真夜中の音楽室だったら、ベートーヴェンが追いかけてくるとか、偉大な音楽家シリーズのポスターが笑い出すとか、あり得そうだけど。
窓ガラスから日が差しているだけ。静かだ。ピアノの音を立てるのに、躊躇するくらい。美しく完璧な世界、そんな言葉が思い浮かぶ。
しかし、そうは思いながら、ボ