癌患者さんで食べていても非常にやせる理由:糖尿病専門医師として考察してみる

癌患者さんの一部は消化管の癌でなくても、食事をしっかり食べていても、どうしてもやせてしまう方がいらっしゃいます。

私なりに考えます。癌がからだに出来ると熱は出ませんが、免疫系が働き炎症が生じます。この時、炎症を生じさせる物質(TNFαこの名前は忘れて結構ですが以下TNFαと書きます)が産生されます。この物質はインスリンの脂肪細胞での作用を邪魔します。血管内のブドウ糖(血糖)から脂肪に変換して貯蔵する作用です。このTNFαは癌の種類や体質などで作られる量が変わると考えられていますがよくわかっていません。この物質が多い人は食べ物をきちんと摂取しても痩せるとすると矛盾はしないと思います。これは糖尿病患者さんだけに当てはまることではありませんが、インスリンの作用という糖尿病の基本になるところです。TNFαが増加すると本物のインスリン抵抗性を示します。糖尿病の患者さんの中には癌で「非常に高血糖」になる方もいらっしゃいます。個人差があるので必ずそうなるとは限りません。しかし、いずれにしても太ったりはしません。(ここが変です日本の糖尿病治療:その6「インスリン抵抗性で肥満という矛盾:一般的な慢性疾患としての糖尿病にインスリン抵抗性など無い」でインスリン抵抗性があれば肥満にならない説明はしてあります。)

これで少しだけ癌患者さんの皮下脂肪が異常に減少する(やせる)理由と

糖尿病患者さんで肥満のインスリン抵抗性などない理由が少しだけわかってもらえれば幸いです。

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