大学病院の診察日まであと10日後。 まだまだ先だった。 仕事も手につかず、乳がんについて検索ばかりしていた。それから2日ほど経ち、大学病院の診察は、朝早く行けば、予約がなくても受付けしてもらえると名古屋市立大学病院の受付から聞いた。 私は幸いなことに、自分で仕事の時間を決めることが出来る職であるため、所属先へ連絡し、翌日の朝7時から名古屋市立大学病院で受付を待った。 朝7時でも、ボランティアの方や患者さんがぼちぼちいた。 病院に来ると、私だけがガンなんじゃない！みん
「針を刺してみたら、液体というよりジェルっぽいね。」 医師は、慣れた様子で超音波で針と腫瘍の位置を確認しながら言った。 「組織は柔らかいし、大丈夫だよ。」 そうか。良かったあ。この検査も痛くなかったし。 検査の結果は10日かかるとのこと。 その期間はあまり考えないようにしようと決め、いつも通り過ごした。 10日後、みやがわ乳腺クリニックへ行った。 「どうぞ。座ってください。」 今日も男性医師。 この前と先生の感じ違うなって思っていたら、 「細胞診でがんが出
左胸に今まで見たことのない凸（しこり）が現れたのは、今から4ヶ月くらい前。 私は胸騒ぎがして、旦那に電話した。 「乳腺でも詰まったんじゃない？年齢的によくあると思うよ。」 薬剤師の旦那はさらりと言って、私を安心させて電話を切った。 私は当時、短期留学で単身フィンランドにいた。だから、病院に行くにもハードルは高いし、帰国後、まだ凸があるようだったら、病院に行けば良いかなと深く考えていなかった。 それから、たまに凸は痛むこともある気がしたけど、大して大きくなることもなく
