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全日本プロレスの宮原健斗は凄い

今更言うのも憚れるが「全日本プロレスの宮原健斗は凄い」。宮原の何が凄いのか?結論から言うとそれは「異次元レベルの万能性」である。

例えば諏訪魔やジェイク・リーと対戦した場合。180cmに満たない選手が、190cm級の大型選手を投げ飛ばす。そこには何らかの説得力が必要である。「体格を感じさない怪力」や「レスリングのバックボーン」あたりだろうか?しかし宮原の体格(186cm102kg)であれば。体格のみで「大型選手を投げる説得力」を持つことができる。

更に大型選手の攻撃を正面から受け続ければ、当然体に大きな負担が掛かる。「衝撃をカバーする筋肉」を纏うには骨格のデカさが必要だろう。その点においても、大型選手との対戦には一定以上の体格が必要だ。

もちろんプロレスは大型選手のぶつかり合いだけで成立するわけではない。最近では「スピーディーな攻守の切替の有無」がトレンドになっている。これは190cm超えの選手では表現しずらい。そんな中宮原は「スーパーヘビー」では持ち得ない(説得力を持たない)、切り返しのスピードを持つ。アップテンポな試合であっても、己より小さな選手に遅れをとらない。もちろん宮原は、ブラックアウト(ランニングニーアタック)の威力に説得力を持たせるだけの「直線的なスピード」も持ち合わせている。

また、興味深いのがフィニッシュホールドの「シャットダウンスープレックス(ダルマ式ジャーマン)」だ。この技はフィニッシュホールドにしては「スピードが極端に遅い」。相手の腕をロックし、そこから頂上までブリッジを架ける。その攻防にとても時間を掛けているのだ。時間をかけることで「投げられるか否か」にファンの注目を集める。溜めに溜めるからこそ。シャットダウンスープレックスが決まった瞬間にカタルシスが生まれる。高速展開がトレンドな現代で「敢えてロースピードなフィニッシュホールド」を使い、ファンを熱狂させているのだ。

このように「対スーパーヘビー」「対スピード勝負」。どちらの展開であっても、高いレベルで対応できるのが宮原だ。そしてそうした選手は、プロレス史を振り返っても殆ど存在しない。それこそ三沢光晴や川田利明に匹敵するレベルだ。更に「試合中の観客やテレビカメラへの視線の出し方」や「絶対的な明るさと狂気の両立」など。宮原には他にも様々な魅力がある。

年齢的にもこれからもっと伸びていくはずだ。宮原は己を最高の男と称している。これからさらに飛躍すれば。その「最高」とは現代だけでなく、過去を含めたプロレス史を含めて「最高」になるかもしれない。

重ねて言うが「宮原健斗は凄いのだ」

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