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プロレスリングノアjrが新時代を迎えるために〜YO-HEY

少し過去に重心傾けた記事が多かったので、今回は今のプロレスリングノアのお話。ノアの今を語ろうとすると、誰もが名前を挙げるのが清宮。次に稲村、岡田と続くのが一般的ですかね。しかし彼らはみなヘビー級の選手です。ノアの「jrヘビーの今&未来」と言えば誰か?※ちなみに2020年8月12日現在、シングルは鈴木鼓太郎、タッグを小川良成とHAYATAが保証しています(HAYATAはIPWも保持)。

ちょいちょいTwitterでも書いていますが、ノアjrの今&未来を語るにはYO-HEYについて語るべきかと思います。

YO-HEYは2017年からノアに参戦。鈴木軍が去り、小峠と拳王がヘビーに転向し、ちょうどjrの層が薄くなったときでした。既にノアに参戦していた原田に加え、タダスケ、HAYATAとともにラーテルズというユニットを組み、主にHAYATAとのタッグでノアjrに新風を吹かせました。

YO-HEYのファイトスタイルは「水」でしょうか?コップに注げばコップの形、ケトルに注げばケトルの形と、相手や状況に応じて己の姿を変えることができます。ハイフライヤーかと思わせつつ、一方では相手をおちょくる行為もする。チェンジオブペースの巧みさ、間合いのとり方が最大の武器と言えるでしょう。そして天性の明るさを持っています。選手としてはHAYATAとのタッグで一つの時代を築くも、シングルプレーヤーとしては「GHCjrヘビーまであと一歩届かず」という状態が長らく続いています。

しかしここ最近YO-HEYに少し変化を感じました。HAYATAの裏切りで黄金タッグを解消し、HAYATAに対する怒りを隠さなくなりました。殺気が加わったと言っても良いでしょう。YO-HEYの持つ天性の明るいキャラクターはとても大事です。しかしその明るさと間合いの巧みさによって、「重さ」を観客に伝えきれていませんでした。言い方を悪くすれば「軽い印象」というと分かりやすいでしょう。えもすればこうした「軽さ」がYO-HEY本来の実力を伝えることを阻んでいたのかもしれません。

ですがHAYATAと決別以後のYO-HEYには、従来の明るさに加え、今までに無い「殺気」が含まれ、観客に「重さ」が伝わるようになりました。これはとても良いことだと思います。7月に鈴木鼓太郎とのGHCjrヘビー王座戦が行われました。結果的に破れはしたものの、YO-HEYからは「何が何でも勝つ」という意識が強く伝わりました。

確かに今のYO-HEYは結果が出ず、その上8月10日にはタダスケからも決別を宣言されるなど、厳しい状況に陥っています。しかし選手として何かを掴みつつあるとも言えます。

以前書いたように、ノアのヘビー級には三沢小橋戦という幻想がありました。そしてjrにも同じように、丸藤KENTA戦という幻想があります。ヘビー級の幻想は潮崎と拳王によって破壊されました。次はjrの番です。

ファンの幻想を超えるには、幻想の匂いが強すぎても難しいでしょう。匂いが似ずぎていては、どうしても過去を思い出してしまいます。潮崎拳王戦にしても、潮崎の対角に立ったのが、「過去の匂いのしない」拳王であったことが、幻想を超えた要因の一つかもしれません。

その意味で言えば、YO-HEYは過去のノアjrにはいなかったタイプです。強いて言えば石森あたりかな?彼のような「過去の匂いのしない選手」が伸びて、最前線に立つようになれば、丸藤KENTA戦という幻想を破壊するきっかけになるのではないでしょうか?

そのためにもなんとかYO-HEYにはスランプを脱してもらい、選手として1ランク伸びてほしいと願っております。

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