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国内プロレス団体のオンデマンド配信状況について

日テレジータス渾身のノア中継&WRESTLE UNIVERSE配信月間。にも関わらず忙しさのせいで、殆どの試合が録画orディレイ視聴という悲しい状況。ホントは試合レポとか書きたいのですが、本日(8月5日)時点で中嶋拳王のGHCナショナル王座戦すら途中視聴のため、試合以外のことを書きます。

本日のお題は「国内プロレス団体のオンデマンド配信状況について」です。
※今回の記事は2020年8月5日時点の内容です。

以前書いたように、コロナ禍以後のプロレス経営においては、映像配信による収入が非常に大事になってきました。

興行や物販以外の収入。且つサブスクリプションによる安定的な収入が見込めるという点で、オンデマンド配信サービスは、今後のプロレス団体経営において不可欠になるといえます。

そこで今回は3つの団体(配信プラットフォーム)の比較を行い、特徴を伝えたいと思います。

比較表はこちら

映像

1.新日本プロレスワールド

新日本プロレスワールド

言わずと知れた、国内最大規模のプロレス映像配信サービスです。加入者数もさることながら、一番の武器は「アーカイブ映像の量」です。過去の映像の多くをオンデマンド配信することで、幅広い年代のユーザーへ訴求できます。アントニオ猪木の試合からEvilの試合までまとめて視聴できるのはとてつもない武器でしょう。

更に一部の試合は英語実況を施しています。オンデマンド配信の武器である「全世界のユーザーへの訴求」を行いやすいように、着実に足場を固めているという印象を受けました。他では映像の検索のしやすさや、サイト構成のわかりやすさも地味ですが良いポイントだと思います。

2.全日本プロレスTV

全日本プロレスTV

全日本プロレスTVの特徴は「多言語展開」が挙げられます。外国語実況こそ実装されておりませんが、英語・中国語・韓国語・スペイン語と4つの言語に対応しています。※ちなみに新日本は英語のみ対応。新日本同様「海外への配信」に目を向けているといえますね。

サイトの構成は新日本プロレスワールドに寄せていますが、わりとシンプルでわかりやすいと思います。LIVE配信スケジュールの視認性が高いのはとてもポイントが高いですね。コロナのせいで会場での観戦が難しい状況ではこうした部分はとても良いと思います。

3.WRESTLE UNIVERSE

WRESTLE UNIVERSE

WRESTLE UNIVERSEの特徴は「配信団体数の多さ」です。新日本プロレスワールドと全日本プロレスTVが原則自団体(他団体選手の試合は有)の配信であることに比べ、WRESTLE UNIVERSEは6個の団体(ブランド)の試合を視聴できます。

しかしサイトの構成自体はあまり見やすくはありません。新日本プロレスワールドと全日本プロレスTVは、オフィシャルサイトとは独立してページを立ち上げていますが、WRESTLE UNIVERSEはDDTの公式サイト内に設置されているため、オフィシャルサイトベースのレイアウトになっています。そのため試合検索などは上記2つに比べてやりづらいと思いました。

4.3つのプラットフォーム比較

結論から言うと「アーカイブ映像の量」で、新日本プロレスワールドの1強になっている。という状況です。これは元々新日本がテレビ朝日と共同で映像資産を管理していた影響だと思います。オンデマンド配信でネックになる肖像権の問題をクリアしやすかったのはとても大きい点です。

一方WRESTLE UNIVERSEは旧DDTグループの映像こそ豊富に取り揃えていますが、ノアの映像については概ね2019年以降しかありません。また全日本プロレスTVも配信開始前の映像資産がうまく活用できていません。これは70年代〜00年代の全日本プロレス及び01年〜09年のノアの映像を日本テレビが管理しているからでしょう。この時期の映像は今でも高い人気を誇り、You Tubeでの配信(厳密には違法アップロードかな?)でもかなりの再生数を稼いでいます。これを収益化できていないのはかなり大きな損失でしょう。

余談ですが日本テレビは日本プロレス時代の映像も残っており、これをジータスでひっそりと放映するのはもったいないなあと思います。個人的には「旗揚げ〜01年までの映像は全日本プロレスへ」「01年〜09年の映像はノアへ」と何らかの契約で権利を分散できるといいなあと思いますね。日本プロレス時代の映像はHuluで流しましょうか。

後は意外なところで「専用のアプリが無い」というところですね。webページからの視聴よりもスマートフォンやタブレットから専用アプリで視聴できると、利便性がぐっと向上します。Abemaのノア中継の視聴数が多いのも「視聴利便性の高さ」が大きく影響していると思います。ただアプリ開発にはかなりの経費がかかるため、コストを投じるだけの体力が不可欠ではあります。

もちろん国内プロレス団体では、他にもDRAGON GATEネットワークスターダムワールド等多くの団体でオンデマンド配信が行われています。withコロナを生き延びるためには「映像配信の売上向上」が不可欠になってるだけけに、今後大きな動き(新日本プロレスワールドとスターダムワールドの統合等)が起きることも予想されます。

いずれにせよ映像資産を増やす(配信団体を増やすor過去映像権利を得る)といった部分での動きは今後も活発になるのでしょう。

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