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プラスチックを量産するために抜き勾配を考える

プラスチックの製品を量産するときには金型が必要になってきます。金型で製品を成形するためには色々なルールがあります。
3Dプリンターなどで作った試作品が金型で成形するとなるとそのままの形では成形できないとか、金型が高額になってしまうと言うことは多々あります。場合によっては外観のデザインに影響する場合も多々ありますので金型のルールをある程度を知っておくことはとても大切なことです。

注意しなければいけないことは色々とありますが、その中のひとつが『抜き勾配』です。

上の画像の左側が抜き勾配のない断面、右側が勾配のある断面になります。角度がついているか、ついていないかの違いになります。一見するとどちらも問題なさそうですが、これが金型の動きを見てみると問題がでてきます。

上の画像が『勾配がない状態』の金型の動きになります。この状態だと金型が開く時や製品を取り出す際に、金型と製品がこすれてしまいます。

次に『勾配がある状態』の金型の動きをみてみます。勾配がついているおかげで金型が開く時や製品を取り出す際に、金型と製品がこすれないことがわかるかと思います。

金型と製品が擦れるということは成形時に製品が傷がついてしまうということになります。外観部品であれば傷があることで不良品となってしまいます。勾配があることで擦れませんのでこの傷は回避することができます。

金型で量産することを考えるとこの抜き勾配が必要になってきます。勾配のある/なしで外観のイメージが変わってしまう場合も多々ありますのでデザインの段階で勾配が考慮されているのが理想となります。

勾配についてはこちらにも詳しく書かせて貰っていますのでよろしければご参考ください