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フライブルク留学記、その3

こんにちは!もくひとです。
すっきりとした秋晴れの日も多く、気持ちの良い季節になりましたね!
朝晩は冷えますから、美味しいものをしっかり食べて体調管理に気をつけましょう〜!

バロックティンパニの演奏

ドイツに留学している間、何度かバロック音楽を演奏する機会がありました。(バロック音楽とは、ざっくり言うとモーツァルトやベートーヴェン等の古典派よりも前の時代の音楽で、”古楽”というカテゴリの中に属します)
バロック音楽では、通常のオーケストラで使用するティンパニよりも小ぶりな「バロックティンパニ」と呼ばれる楽器を使用し、木でできたバチで演奏します。
フレージングや装飾がティンパニの楽譜には書かれておらず、奏者にある程度任されていることが特徴的です。

「ロ短調ミサ」リハーサルの思い出

ある日のこと、友人のセバスティアンからメールが来ました。
"タカシ、来週の水曜日から土曜日まで空いてない?もしよければ、バッハのロ短調ミサを演奏してほしいんだけど…"
僕にとってバロック音楽を演奏する貴重なチャンスでしたので、もちろん二つ返事でOKしました。

練習会場はフライブルク音楽大学の中にあるホールとのこと。個人的には、ドイツに来て初の演奏機会です。気合を入れて練習開始1時間前に会場へ…入ろうとしました。
…しかしホールのドアは鍵が閉まったままです。そろそろ楽器の準備を始める時間だと思うのですが…ヨーロッパではみんなのんびりしているということなのでしょうか。

しばらく待ってみましたが、誰も来る気配がありません。いくらなんでもおかしいと、セバスティアンに電話をかけてみました。
"ごめんタカシ、練習会場を間違えてた"
正しい練習会場は、学校から路面電車で30分ほどの場所とのこと。
大慌てで学校を飛び出して電車に乗り、Googleマップを駆使しながら住宅街を全力疾走して、なんとか時間ぴったりに会場へたどり着くことができました。

楽器は何処に…

助かった〜と汗を拭きながら会場に入ってみると、セバスティアンが既に手配してくれているはずのティンパニが見当たりません。
卒倒しそうになりながら再び電話をかけました。
"ごめんごめん、今から車で運ぶからチョット待ってて〜"
焦っていたのがだんだん馬鹿らしくなってきて、その辺をぶらぶら散歩して待っていることにしました。

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フライブルクの夕焼け、美しいなあ…

約1時間後、ようやく届いたティンパニを搬入して曲の途中からリハーサルに参加しました。1ヶ月ぶりの演奏は新鮮で、喜びに満ち溢れていました!届いた楽器が、倉庫から引っ張り出してきたオンボロ楽器だったにも関わらず!

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左右で違う皮が張ってあるし、その皮も誰かがソロ作品で強打したのでしょう、ボコボコに凹んでいます。おまけにペダルは踏んだままにしないと音程が下がってくる…。でも演奏は本当に楽しかったことを覚えています!生で触れる音楽というものには特別な力があるなあと、改めて実感しました。

そんな訳で、どうにかこうにかリハーサルは終了。妙な達成感を得て帰路につくのでありました。

本番編はまた後日記事にしようと思います。
今日はここまで。Auf Wiedersehen!!

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