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Shanling M0がDACとして優秀だった話(DAC編)

「Shanling M0がDACとして優秀だった話(購入編)
からのつづきです。

このShanling M0、中華オーディオプレーヤーにも関わらず、DACとして使えて、作りもしっかりしているというお話を前回書きました。

今回はDAC機能について、Bluetooth送信機・Bluetooth受信機(Bluetoothレシーバー)という観点で、気になるポイントをまとめて行きたいと思います。

ちなみに音楽プレーヤーとしての感想は、動画付きでちらほらネットに落ちているようですので、ここでは割愛します。

■ 気になる外見

昔のiPod nanoに近いサイズ感です。ただし、そこそこの厚みはあります。インターフェースはMicroSDカードスロット、Type C端子、Φ3.5 イヤホン端子、そして操作用のダイヤルのみです。長押しで電源ON/OFFが出来ます。

これだけ小さいとストラップホールが欲しいところですが、穴はありません。付属のケースにもありません。残念。

■ Bluetooth送受信機能と対応コーデック

この製品の目玉として、DACモードがあります。これはType Cで接続したパソコン・スマホなどの音をBluetoothに乗せて送信する事が出来るという機能です。

また反対にBluetoothレシーバーとして音を受信する事も可能です。その場合はイヤホン端子からの出力のみとなります。

対応コーデックですが、驚きの『LDAC対応』です

LDACはSonyが開発したハイレゾ音源をBluetoothで送信する為の技術です。最近の端末であればAndroidはメーカーに関わらず、送信に対応しているはずです。
iPhoneからの送信であれば、AACというのが音質の良いモードになります。
SBCはすべてのBluetooth機器で対応していますが、音質はBluetoothの中で、一番低いです。

ここで強調しておきたいのは、外部入力のLDAC送信が出来るのはこの製品以外に覚えがありません(2020年1月現在かつ私の雑な調べ)。類似製品のほとんどはapt-X HDのみだと思います。

いや普通であればそれだけ対応していれば、充分過ぎるくらいなのですが、Sonyスピーカー・イヤホン持ちとしては、やっぱりLDACの方がいいじゃないですか。

また、受信の『LDAC対応』というのも更に驚きです。これなら好きなイヤホンでLDACの受信をする事が出来ます。いやいやデジタルOUTないのかよととか、これじゃLDACの意味ないじゃんとか、音質絡みの話を始めたらキリがないので、ここでは割愛します。

■ 対応デバイスは?

DAC機能(送信機能)の対応デバイスですが、一通り確認したところこんな感じです。公式サイトを見る限りWindowsのドライバしか用意されていないので、Macはムリかと。

Windowsはドライバ必須です。入れないと認識すらされません。ここは、挿せばオーディオインターフェースとして認識されるCreativeのBT-W2と大きく違うところですね。

またWindowsですが、常駐ソフトがインストールされます。ここでデバイスの認識と音声品質を7段階(音質優先だと遅延が出る~接続優先だと遅延が小さくなる)で切り替え出来ます。

Minimum Latencyでも動画を見ると少しズレている気がしますが(数10ms?)、Standard以上だと明らかに音がズレる(数100ms?)ので、実質2段階程度ですね。

音質はStandardあたりから音がざらつく気はしますが、トークがメインであれば気にすることはないかと思います。反対に音楽メインの動画の場合は、難しいかもしれません。設定にBuffer Sizeとかあるので、これを弄れば改善するかもしれませんが、これは要研究です。

またNASですが、うちのSynology DS115jでは問題なく認識しました。ただし何故か44.1kHz/24bitにダウンコンバートされていましたが。(他のデバイスは48kHz/24bit)
正直ネットワーク経由かアプリ(DS Audio)経由でスマホのBluetoothから出した方が、断然音が良いと思います。

■ Bluetooth受信機としても優秀

作りはそこそこちゃんとしています。送信デバイスのBluetoothがONにされると、自動で接続されてM0がリモコンモードへ移行します。曲名・アルバム名・曲の再生停止、戻る、進むが出てくる他、時計とバッテリー残量が出てくれるのは親切ですね。ただし文字が長いと見切れてしまうのはご愛敬。

コーデックはapt-Xの受信が出来ないのが、個人的には残念な所です。まあ最近のAndroidであればむしろLDACが使えますし、iPhoneはAACなので、普通は、特段困ることはないと思います。

そして1番困るポイントは、勝手にリモコンモードになってしまう事です。送信デバイス側のBluetoothがONであれば、M0の電源を入れると即リモコンモードに入ってしまう為、M0側から接続デバイスの変更がまったく出来ません。スマホからの接続を切らない限りずっとこの画面です。

対策は、リモコンを使った後、スマホなど送信デバイス側で『切断操作を行うこと』以外ありません。そうしないと、送信デバイスからの接続要求を問答無用に受けて、リモコンモードに切り替わってしまいます。これはとても残念な作りです。アップデートには精力的なようですので、今後に期待しましょう。

■ まとめ

以上、つらつらと書いてきましたが、まとめです。
 1)  Shanling M0は中華音楽プレーヤーながら、DACとして非常に優秀
 2)  DACとしてBluetooth送信可能な他、Bluetoothリモコンとしても動作
 3)  送受信ともにLDAC対応!外部入力をLDACで送信出来るのは貴重
 4)  すこし作りは粗いが総合的には素晴らしい。今後のアプデにも期待

私個人の感想としては、Bluetoothが好きな方であればこれは買いだと思います。下手なBluetooth送信機や受信機を買うより断然使いやすいです。

ただ輸入品ということもあり、取り扱い店舗が少ないようですので、その点はご注意下さい。

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