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シエラマドレを駆ける民

今日のニュースはAFPBBより、メキシコで開催されたマラソン大会についての記事。

先日もタイ南部での山岳マラソンを取り上げた気がしますが、こちらも山岳マラソンですね。
このマラソン、先住民タラフマラ族と共に走る点が特徴的。

タラフマラ族は記事中で「走る先住民」と紹介されており、どれくらい走る民族なのかな?と思う方も多いはず。
まずは、生活の中に「走る」ことが染みついており、老若男女問わず走る走る。
「ララヒッパリ」は、木製のボールを数名で蹴りながら走り続けるチーム制のゲーム。

通常は数㎞程度ですが、大きな大会では100㎞近く走ることもあるそうです。

生活文化は移牧が行われており、彼らが住むメキシコ北西部、チワワ州に走る西シエラマドレ山脈(シエラマドレ・オクシデンタル)の険しい山中を移動しています。この際にも走っているようです。

歴史的にはスペインの先住民狩りなどにより大きく人口を減らしており、現在は5万人ほどが暮らしています。
そして、彼らが履いている独特のサンダルが「ワラーチ」と呼ばれるもの(記事中の選手が履いています)。

何かに似ているような…?そう。「ワラジ(草鞋)」

です。いや、音がではなく形がです。
ただ、どこまで本当かわかりませんが、江戸時代に渡米した人物が履いていた履物を参考に作られた、という俗説もあったりします。

いずれにしても、ワラーチを履いてメキシコの険しい山道を駆け抜けるその走力は、数日間で700㎞を走破するとも。しかも一人で…。
その体力と精神力は驚異的ですね。
ちなみに、ワラーチをモデルにしたサンダルも数多く発売されており、自作で作ってしまう猛者も少なくないようです。

普通のシューズとは使う筋肉が違ったり、生活習慣病を予防する健康効果があるという話もあり、スポーツ愛好家の中で人気があるようです。

せっかくなのでメキシコの地理について少し補足しておくと、メキシコ高原は西シエラマドレ、東シエラマドレの間に広がる高原地帯です。
西シエラマドレ山脈は、北に向かうにしたがって乾燥が強くなるため、彼らが住む北西部はそれなりに乾燥した地域(ステップ=BS気候など)であると考えられます。

というわけで、ちょっとまとまりがありませんが、メキシコにおけるマラソン大会「カバジョ・ブランコ」に関連するお話でした。

今回はこれくらいで。


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