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スイスの食の代表は?

今日のニュースは、swissinfo.chより、スイスの伝統的な食材についてのお話。

スイスは南からアルプス山脈、スイス高原、ジュラ山地に大別される多様な地形があり、

アルプス山脈はET(ツンドラや冷帯湿潤気候(Df)、スイス高原はDfからC(温帯)気候を呈する、気候も変化に富んだ国。

その食文化が多様性に富んでいることは想像に難くないのですが、どのような食材があるのかはあまり知られていません。
記事中で紹介していただいているので、見てみることにしましょう。

まず、「何一つ無駄にしない」ということですが、やはりスイスは標高が高く、冬になると冷え込みは強くなります。

スイスの伝統的な農業で有名なのは酪農、そしてそれに伴うチーズなどの乳製品

ですが、保存食としてのソーセージの生産も盛ん。
記事中では「セルベラ」というソーセージが取り上げられています。

ちなみに、家畜への依存度が高い農業地域の食文化としてはモンゴルが挙げられますが、同じように肉と乳で「赤」と「白」の食文化と言われています。

また、スイス農業は「規模」で比較してしまうとフランスなどの農業に比べて不利な点が多く、第二次世界大戦後には農業人口が大きく減少しました。
そのため、スイス政府が手厚い補助を与え、高付加価値な農業へとシフト。

ちなみに、動物愛護に関連する部分ではドイツよりも歴史が古いと言われています。
1973年には動物の保護と健康についての立法を義務づける条項が憲法に記載され、2004年に動物愛護法を制定、この法律では動物に痛みや苦痛、恐怖を与えてはならない(ケージの使用禁止など)、2018年にはロブスター、エビを生きたまま調理することを禁じるなど、動物愛護の先進国と言われています。

また、スイスの有機農業のライセンス(BUDラベル)は極めて厳しい基準で運用されています。
2年間の化学肥料や農薬等の使用禁止の基準だけではなく、一部の農地のみの認証は不可、酪農は家畜へのホルモン注射や薬剤投与禁止だけではなく、飼料を全て自家農園で有機栽培せよ、という非常に厳しいものです。

このことからスイスの有機農業のブランドは、高付加価値農産物として高い競争力を誇ります。
現在、スイスの農場の2割近くが有機農業を行っており、その普及はかなり進んでいるようです。
「BIO SUISSE」認証はBUDラベルの最高ランクにあたるそうなので、見かけたら高品質なスイス製品の証だと思って間違いないでしょう。


とはいえ、農業従事者の高齢化や後継ぎ不足などの問題点があることも事実なようで、今後も政府による手厚い農業政策は維持されそうです。
ちなみん、スイスが国費を投じてまで農業を保護することには、安全保障上の理由があることも想像に難くありません。

永世中立国は「戦争をしない国」ではなく、「誰の戦争にも協力しない国」ですので、自分の身は自分で守らなくてはならないのです。
というわけで、スイス農業に関するざっくりしたお話でした。
今回はこれくらいで。


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