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『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』観てみた

先週の金曜ロードショーでやっていた『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』がTwitterでバズっていて、ちょっと気になり、昨日の夜にプライムビデオで視聴してみました。

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意味不明、不可解、つまらん、みたいなツイートが結構目に付いたんだけど、心象世界を重視する私にとっては、すごくわかりみ深い内容で、中学生の未成熟な感じ、夢、未来への期待、少女への憧れ、そしてそれらと対極にある抗えない運命・・・すべてが綺麗で、じーんとしてしまいました。

最後の花火のかけらの中に見える、ありえない夢、願望のひとつひとつ。あれはすごく綺麗な絵でした。アニメならではの、とても良い表現だったと思います。

最近なんだか枯れていた涙がたくさん出て、非常に気分が良いです。

Twitterでもつぶやいたけど、思春期の男子というのは、中高と女子校だった私にとっては、まったくわからない、謎の生き物です。

怖いといいながら、憧れていたんだけどね。本当は。触れられない私の臆病さも、思春期ならではだったのでしょう。

作品の印象は、タロットカードで言えば、こんな感じでした。

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まだ世と交わっていないゆえの夢、憧れが、宝石や果物として表されています。

生きるとは、与えられた肉体、抗えない運命を受け入れるという、自分にはどうにもならない辛さもあるけれど、この夢や憧れがあって、それに向かって走っていくから、生きられるんだなって思います。

光のみがうつくしいのではなく、本当に魅力的なのは、光と闇が作り出すコントラスト。上の女司祭(The Priestess)は、汚れない処女ゆえに、まだそのことを実感はできませんが、世に出ていく(傷つきに行く)覚悟は持っています。その純粋さや危うさが、なんとも言えない魅力を醸し出す。思春期はまさにそんな時期ですね。

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話を作品に戻しますが、男子から見た女子というのが、こんなにも魅力的なんだなあというのがよく描かれていたのも、私の心をあたたかくしました。

女子の描き方がセクシャルだったり、理想的すぎるみたいな批判もあるみたいですけど、これは主人公の男の子の心象風景なんだから、そう描かれるのが妥当でしょう。完全無欠の女神とビッチが合わさっているような危うさ、本当に魅力的だったなあ。(少し前の私なら、ほぼ真逆の意見を持っていたはずですけど、『女性らしさ』をひとつのアイコンとして受け入れたら、この辺がすごく素直に見られるようになりました)

ひとつスッキリしないことといえば、こんな可愛さが自分にもあったならば、もっと満たされていただろうか、という点ですかね。(笑)

でも、この少女は可愛いけど、私が持ち合わせていない過酷な運命や傷を持っている。まあ、どんなものを持っていこうが持っていまいが、体験は人それぞれだし、幸せも人それぞれ。羨んでもひがんでも、しょうがないんでしょうね。(フィクションにここまで思い入れられるのも自分の才能だと思っていますw)

それにしても、作品についてごちゃごちゃ語りたくなるというのは、幸せです。

この曲も改めて味わい深い、、、アップルミュージックでサントラも拾えたので、しばらく、余韻にひたっていたいと思います。(いい時代だ)

まだの方は、機会があればぜひ観てみてください。楽しむコツは、「これは少年の心象風景だ」という視点です(*^^*)

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