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季節の変わり目だから読みたくなる本

週末のイオンを歩いていると、お水の会社の人たちや、携帯会社の人、太陽光発電の会社の人(ざっくりした書き方)などが話しかけてくることがある。

「サーバー使ってますか?」
「スマホはどこの会社ですか?」
「太陽光発電にすると電気代が安くなりますよー」
子どもを連れていると、風船やおもちゃなどを見せて呼び込みされるのだけど、あれが本当に苦手。

苦手なんだけど、そういう営業トークを断るのも苦手。
なので、愛想笑いでのらりくらりと過ごすことが多い。しかしこれが疲れる。

相手にするのも、断るのも、とにかくしんどい。
用があるならこっちから出向くんで、ちょっと放っといてもらえませんか?と思うけれど、そんなことを言える勇気はない。あったらしんどくなってない。

そんなある日、何かで見かけた話にふと我に返るような感覚があった。

「営業をしている人たちは、給料をもらって仕事をしている人たち。
一方の営業されている私たちは、無給の状態。
お金が発生している人の相手を、無給でしなければならないなんて、おかしくないですか??」

というような話を見かけた。

そんな風に考えたこともなくて、でも言われてみるとたしかに相手には給料が発生しているけれど、話を聞いている私たちは給料が発生していない。
それなのに私の大切な時間を提供(話を聞くということによって)してしまうなんて、おかしいのかもしれない(相変わらずすぐに影響を受ける私)。

お金がすべてのように考えるのはセコイかもしれない。
けれど時間は目に見えないから、お金で考えたほうがわかりやすいのよね。

でもここまで書いてみて気づいたけれど、興味がないなら、あいまいな態度を取らなければ良いだけだよね。
毅然とした態度でいれば、相手も追いかけてくるわけじゃないし。

のらりくらりと愛想笑いして、あいまいな態度を取っていた自分にも非はある。
しんどいとか言っている場合じゃなかった。
自分の対応を改めよう。

そんな最近の読書は『もうあかんわ日記』

3月ですね。
この季節になると、精神的に落ち込むことが増えます。
季節の変わり目というのでしょうか。
大変困ったものです。

そんな困った精神状態を抱えたとき、なぜか読みたくなる本があって、それが岸田奈美さんの『もうあかんわ日記』だった。

もう本当にしんどいわ~と思う中でこの本を読むと、自分以上に大変でアップアップしている人がいて、あぁ自分だけじゃないんだなと救われる。
そして読めば読むほど、奈美さんの尋常じゃない大変な状況がまさって、これどうなるの???と結末を知っているのに、どんどん先へ先へと読みたい気持ちが一人勝ち。

そんなこんなで本を読み終わるころには、自分の精神状態も少しずつ安定に向かっている。
人様の大変さに救われるってどうよ、と思ったこともあった。
しかし現実は、人様の追い込まれていく状況に、自分を重ね合わせていて
「大変なのは自分だけじゃなかった」
という安心を得ているのである。

これが健全なのかは私にもわからない。
ただ「大変なのは私だけじゃなかった」と思うことで、救われる心があるという事実は知っておくべき大切なことだと思った。

自分の失敗談は恥ずかしいから世に出したくない。
そう思っている人はきっと多い。
でもその失敗談に救われる人が、世の中には確実にいると思う。

そう考えてみると、失敗談なんて腐らせるほどある私は人を救い放題かもしれない。
そんなことを考えてみたものの、しかし自分の失敗を片っ端から忘れていると気づいてちょっと落ち込んだ。

救えた命があったかもしれないのに(大げさ)、失敗を忘れるなんて私のバカヤロー。

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