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いいことしか『真実の瞬間』には書かれていなかった。

162.真実の瞬間

わずか40歳にして、ヤン・カールソンはスカンジナビア航空を有するSASグループのCEOに就任したという。

40歳なんて、ただぼんやりしているうちに過ぎてしまっていた自分のような人間からすると、一体どんな悪事をはたらけばそんなことになるのか大変気になるところである。

そこで、図書館でそのヤン・カールソンが経営者として行ったことを著した『真実の瞬間 SASのサービス戦略はなぜ成功したか』(ダイヤモンド社)という本を借りてきた。なんか、いいことしか書いていないのだが。。

彼がやったことをざっくりまとめると、それまで製品本位が常識であった航空業界にあって、顧客の声をなにより重視したサービス本位に変えてしまったことである。

たとえば、ひとりの旅客がSASの従業員に接する時間は平均して約15秒。つまり、このたったの「15秒」こそがSASに対する旅客の印象を左右する「真実の瞬間」なのだ、そうカールソンは説く。

それなら顧客の声さえ聞いていればよいのだろうか? そ、そうすれば、俺もえらいひとになれるのか? 言うまでもなく、そんなことはない。質の高いサービスを実現するためには、まず現場が仕事しやすい環境をつくる必要があるからだ。

1978年、世界最年少の航空会社社長として36歳で国内便のリンネフリュ社の社長に就任したとき、カールソンは徹底したコスト削減のかたわら、現場ではたらく「より多くの従業員に責任を委ね、管理部門を収益重視の方向で簡素化する」思い切った企業機構の見直しを図る。現場の士気はそれによって高まり、さまざまなサービスのアイデアがそこから生まれることになった。

新しい運賃システム、新しい運行スケジュールを導入した最初の朝、ストックホルムのブロマ空港の出発ターミナルでカールソンが目にした光景。それは、リンネフリュ社のテーマソング「愛は空高く」が流れる中、乗客ひとりひとりに赤いバラを手渡す従業員ひとりひとりのあたたかい笑顔であった。

なんだめっちゃイイ話じゃん。いや、もちろん文句はないのだけれど。

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いいことしか『真実の瞬間』には書かれていなかった。

岩間 洋介(Moi)

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