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スコップで大小さまざまなよろこびを拾いあつめる。

184.生きるよろこび

インスタグラムの使われ方に変化がみられるという。コロナ禍のせいだ。

「映え」から「つながり」へ。具体的に言えばそういうことらしい。これは、#ステイホーム の影響により、旅行や外食、あるいはさまざまなイベントといったインスタグラマーたちの舞台がことごとく駄目になってしまったおかげである。

その一方で、#ステイホーム を楽しむちょっとしたアイデアや、コロナ禍の飾り気のない日常を気軽に伝える「ストーリー」機能による投稿が目立って増え、共感をあつめるようになった。

キラキラした非日常を虫眼鏡で拡大して見せることで人気を得たインスタグラムが、しんどさという日常を互いに共有することで、他者とのつながりを実感させてくれるプラットフォームへと様変わりしたのである。

ここ最近のツイッターがFB的な役割へと変化しつつあるいっぽうで、インスタグラムは「2011年当時のツイッター」的なポジションへと変化したと言ってもよいかもしれない。「2011年当時のツイッター」は、まさに「つながり」を実感させるプラットフォームとして多くの人たちに支持されていたからだ。

もうひとつ、ここしばらくインスタグラムを見ていて気づいたことがある。それは、近所の草花や空の様子を撮った写真の投稿が増えたことである。

これまでは見過ごしていたような日常の中のちょっとしたうつくしさに、多くの人たちが気づき、目をやるようになった。これはコロナ禍がもたらした数少ない恩恵のうちのひとつと言っていいと思う。

フランス語に「joie de vivre」という表現がある。直訳すると「生きるよろこび」。人生を一枚の革袋にたとえるなら、生きることとはその革袋に大小さまざまな「よろこび」を拾いあつめ、貯めてゆくことにほかならない。なんとでも言うがいい。綺麗事上等。

個人的には「映え」だろうが「つながり」だろうがどちらでもかまわないのだが、インスタグラムは、そうした「よろこび」を拾いあつめるためのスコップとしてはまさにうってつけである。その意味で、インスタグラムの使われ方が変化しつつあることは大いに歓迎されるべきかもしれない。

↓は、きのうの夜インスタ・ストーリーにぼくが投稿した写真(インスタグラムのカウントはこちらです)。

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