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座る

初詣に行ってきた。正月、寝込むほどではないにせよ風邪を引いてしまい結局そのまま行けていなかったのだ。とりたてて信心深いわけではないが、なんだかんだ言って毎年していたことをしないというのはやはり忘れ物をしているようで居心地悪い。これでスッとした。

その、初詣に出かけた神社のそばには梅林がある。梅の木はどれもまだ蕾だったが、旧正月の頃には咲き誇っているくらいのふくらみ加減ではあった。春ですね。はたしてこの冬、手袋の出番はやって来るのだろうか。

13.座る

座るということについて、ひとは日頃あまり深くかんがえることはない。椅子は腰掛けるものという了解事項が、年齢や性別、人種を超えて広く共有されているからである。

ウソだと思ったら、ごくふつうの椅子を指差して「えっと、これ、何するものですか?」と真顔で尋ねてみればいい。相手はきっと、世にも恐ろしいものを見ているかのような表情になっているはずだ。

とはいえ、やはり椅子には正しい座り方とでもいうべきものがあることを最近僕は知った。それは、

深く腰掛けること

である。PCなどに向かって作業するときはもちろん、本を読むといったときも、中途半端に腰掛けているといまひとつ作業に身が入らない。立ち仕事が長かったせいで、どうやらすっかり正しい座り方を忘れてしまっていたようだ。

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