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今週の日記|手綱を締めることと緩めること

2月25日 フィンランドのコーヒー休憩 

フィンランドの好きなところを挙げていったらキリがないのだけど、なかでもひとつ挙げろと言われたら、多くの企業で「コーヒー休憩(kahvitauko)」の権利が就労規則に明記されていることと答えるだろう。

コーヒー休憩がなぜ必要かというと、それはひとことでいえば「生産性を上げるため」である。おもに自宅で仕事をするようになり、ぼくもフィンランド式に毎日15分ほどの「コーヒー休憩」を午前と午後の2回取るようになった。

ぼくにとって、この「コーヒー休憩」には2通りの効用がある。

①GOALを決めて単純作業をやっつけるため

ぼくは、決められたことを決められたとおりやる単純作業がたいへん苦手である。とはいえ、一日の仕事のうちにはそうした種類の「作業」も少なからずあるのが現実だ。そんなとき、ここまで片づけたら「コーヒー休憩」だと決めて取りかかる。いわば、目の前にごほうびの「ニンジン」をぶら下げるわけである。

じっさい、モチベーションをテーマにした著書の多いダニエル・ピンク氏によれば、この「ニンジン」がもっとも効果を発揮するのは単純作業に対してであり、クリエイティブに対してはむしろ逆効果だという。興味があるひとは、TED Talkの「やる気に関する驚きの科学」という動画をご覧ください。

②完全にひとりになる時間をつくるため

こちらのほうが、ある意味より「フィンランドっぽい」といえそうだ。あるひとから聞いた、ぼくが大好きなエピソードにこんなものがある。

フィンランド人と日本人の混合チームで映画撮影をしたときのこと、野外ロケの合間の昼食で日本人は何人かでグループとなって食事するのに対し、フィンランド人のスタッフはめいめい勝手に好きな場所に行ってひとりで食事をしていたのだという。

ひとは、誰からも邪魔されることのない自分ひとりの時間を必要としている。自分と向き合う時間は、クリエイティブという「畑」になくてはならない肥料である。フィンランドの人たちは「孤独」を恐れない。それは、「孤独」の効用を知っているからだ。「孤独」は、けっして「孤立」と同義ではない。

これはぼくの場合だが、仕事の合間の「コーヒー休憩」はあえてなにもせず、ただコーヒー片手にぼーっとすることに徹する。ときには、椅子を窓辺に持っていき、建物のすきまから見える公園の緑を眺める。目の疲れもとれるし、自然を見ていると無心になれる。もちろん、その時間にSNSをチェックすることはない、それは他人と一緒に過ごすのと同じだからである。

手綱を締めることと緩めること。その両方が詰まっているのが、フィンランドの「コーヒー休憩」なのである。

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岩間 洋介|moicafe.com

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日本で初めてのフィンランドに特化したポータルサイトを2021年春に公開。また、CSRとして北欧流居場所づくりの試み「喫茶ひとりじかん」をMUJIの協力の下開催しています。2002年から2019年まで東京(荻窪→吉祥寺)にて北欧カフェ「moi(モイ)」を経営していました。