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ノート術

フィンランドセンターが、6月の毎週火曜日にzoomを利用してオンライン美術講座を開催している。申し込みさえすれば受講はだれにでも可能だ。

第1回が絵画編、第2回がデザイン編で、ここまではすでに終了している。残りは2回、16日の建築編と23日のテキスタイル編である。受講料は無料。講師は、フィンランドセンターのスタッフが担当している。

希望者が殺到したため2回目からは参加人数を増やした模様。平日の夕方という時間帯だが、もし興味があるようならいまからでも参加可能だ。

個人的におもしろかったのは、第1回の絵画編。単純にはじめて聞く名前や知らない事柄が多かった。点と点とが線でつながった感じで、体系的に理解できたような気がする。

そこで、じぶんが書き留めたメモと相棒のハラーダー君による完璧まとめを元に、それまでの知識もとりまぜつつ自分なりの切り口でノート7Pにまとめ直してみた。

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3つの「爆誕」で知るフィンランド美術史
Ⅰ.フィンランド画壇の「爆誕」
Ⅱ.原風景の「爆誕」
Ⅲ.テーマの「爆誕」
 1)はたらく人びと
 2)死
 3)女たち

目次はこんな感じ。もちろん、当日の講座では「爆誕」なんてキーワードは出てきません。時系列に紹介されたものを、自分なりのトピックで再構成した完全オリジナル版。

こういうノートにまとめる理由は、ひとえに他人に体系的に説明できるくらいまで自分が理解するのが目的。正直めんどいけど。

ところで、こんなふうにノートにまとめるようになったのはNONA REEVESのヴォーカル西寺郷太さんのノート術を知ったからである。

元々は、その西寺さんが80年代の洋楽を独自の切り口で掘り下げるラジオ番組だった。

オンエアのたびに目からウロコといった感じなのだが、それと同時に番組でよく話題にのぼるのが西寺さんのつくるレジュメがすごい! ということだった。

ラジオなので見ることはできないものの、なるほど、そんなすごいレジュメがあるからこんなにもユニークに、またわかりやすく説明ができるのか、と納得した。

そして、いつかじっさいに見て参考にしたいものだと思っていたところ、そのレジュメをまとめた本

西寺郷太『伝わるノートマジック』(スモール出版、2019年)

が昨年出版された。

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ちょっと真似できないくらいすごいは、これ……。でも、自分なりのノートづくりの参考にはなりそうだ。そう感じて、ちょこちょこぼくもノートづくりをするようになった。

ポイントはいくつかあるが、個人的には手で書くことに意味があるように感じている。めんどいけど。

まず、レポート用紙のような紙に体裁を無視して思いついたことをランダムに書き込んでゆく。それをさらに線で結んだり、ふくらませたり、細分化したりして全体の構成をひねりだすのだ。ろくろの上で粘度がツボの形になってゆく感じ。これは、ぼくのやり方。

最後にノートに清書してゆくわけだが、清書といってもけっしてこれで完全版というわけではない。ちょこちょこ新たなアイデアを補足してゆくことも踏まえて、メモを書き込めるくらいの余白を残しておくのがポイントだ。

ぼくは手が疲れるので愛用のサインペンを使ってしまうのだが、エンピツにしておくと訂正がかんたんである。じっさい、西寺さんのレジュメはエンピツで書かれている。きれいさにこだわればエンピツだろうが、そのあたりは好き好きでいい。

ノート自体は基本だれかに見せるものではないが、1時間もあればパワポに落とし込め、さらにノートはそのままプレゼン原稿になるくらいの精度にはなっているはず。

ちなみに、こちらは趣味の調べ物のノート。1年くらい時間がなくて放置したままだけど。

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でも、けっきょくのところノートにまとめることの最大の効能は、興味のあることについて調べて一心不乱にまとめているときには嫌なこともなにもぜんぶ忘れて夢中になれる、そういうところにある気がする。

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