【読書記録】父親としての森鴎外 :森於菟 (著)
森鴎外つながりで読んでみた。
小倉の旧居を訪問して、鴎外の人となりが気になる。
軍医として日清・日露戦争に出征し、軍務後は帝室博物館(東京国立博物館)総長等の役職を担った一方、軍医になってから外国文学の翻訳を発表し、留学したドイツを舞台にした「舞姫」で小説家として一躍有名になった経緯をみると、4年近くの留学経験が小説を書くきっかけになったようにみえる。留学の様子は「獨逸日記」に記されている。
「高瀬舟」は小学校(中学校?)の教科書に載っていたと思う。
それほど有名な小説家だが、生前に著作を業としたのは1〜2年で、仕事(軍医や役人)の傍らに筆を取っていたようである。
改めて鴎外の小説を読むと、文章が自分の好みに合っていることに気が付く。
この本に書かれている鴎外が嫌っていた、いわゆる日本の「自然主義文学派」の小説は私も苦手である。
仕事をしながら書いたからではないとは思うが、中短編小説が多く、情景や人物の書かれ方がドライな感じで、私には読みやすい。
鴎外が小説を発表してから100年以上経ち生活様式は大きく変わったが、人が何かを思う基本的なところはあまり変わっていないと感じるのは気のせいか。
青空文庫でも読めるが(但し横書き)、Kindle Oasisで読みたいのでAmazon Unlimitedを利用している。
MOH