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新年のご挨拶 《2025年》


疲れ果てたので休みたいでござる。

そのように伝えておいたにも関わらず例年に増す忙しさが超多忙で
話が違うではありませんかと心では思ったものの口に出す隙すらもなく、
幸い体調は順調でむしろ少しずつ体力も回復してきているようにも感じるほどで
さすがはドラァゴンであるなぁ、などと実感しておったのですが
空を飛べる訳でもなければ口から炎を吐いたりすることもできないまま、
気がつけば翼は折り畳まれてほとんど消え去り、
さらには両の腕や足が何やら短くなってきているではありませんか。

昨年の主治医はあまり信用がならんので
今度は未来を見透かせるなどとほざくお婆さんに会いに
ほそいほそいいっぽんみちを歩いてゆきまして。

彼女はボクを見るなり「あぁ、ユゥはミィになるだよ」と
すっとぼけた事を言い放ちくさるので正直まいっていると、
「足なぞ使わずして進む事ができ、手なぞ使わずして木に登れるようになるだよ」
と予言がましいことをその口から付け加えてニヤリと笑った。

ミィとはなんなのか。

その答えを知りたいとは思ったけれど
話が長くなることの方がボクにとっては精神的に耐えられぬので
ありがとうございます、とだけ伝えて立ち去ってしまいました。

帰り道、心なしか今までと比して歩行やその他のあらゆる動作がスムーズで
まるで自由を得た水中の魚のような心持ちであるなぁ、なぞと喜んでいると
川沿いに佇んでいたカエルと目が合ったので笑顔をつくってみたところ
なぜか脂汗を流すだけでなくもはや怯え震え上がっていたので
ごめんなさい、と言ってその場を後にしました。

ここの所どうも唇が乾くのか
舌をぺろぺろと出すおかしな癖が出てきてしまいまして
お見苦しいところもあるかとは思いますが
どうかご容赦いただければと存じます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2025.1.1



ボクがドラァゴンになってしまった経緯について気になる方は
昨年のご挨拶文よりご確認いただけますと幸いです。


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