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世界的な移民の増加問題に関する一考察


 2023年に世界の移民の数が3億人を超えたと世界銀行が伝えました。政治的な対立が深まるなど、世界ではこの急速に増える移民が様々な問題を引き起こしています。
 
移民問題、皆様はどのようにお考えでしょうか。政治的な対立が深まる一方で、経済面に目を向けた時、経済にとって移民はプラスとする考え方が依然として多いです。この件について私の見解をまとめたいと思います。

 最後の段落で、GDPだけを見ることはYouTubeのチャンネル登録者数だけを見ることと似ている旨記載しています。本当に大切なことは何か、指標をどのように捉えるべきか、ご参考にしていただければと思います。今後ともよろしくお願いいたします(TeamモハP)。

移民問題と経済

 国際移住機関(IOM)の発表したレポートでは、2023年の移民の数は2億8,100万人でした。2000年の移民の数が1億7,300万人だったため、大幅に増えています。

国際移住機関 (IOM) は国連システムの関連機関であり、人道的かつ秩序ある、すべての人々の利益となる移住の促進を主導する政府間機関です。IOMは日本で1981年から活動しています。

国際移住機関HP

 「移民が増えることは経済にとっていいことか。」という質問をよく受けます。エコノミストや経済の専門家にこの問題についてどう思うか、様々な人の意見を聞いてきました。今でも多くの方が「移民は経済にとってプラス」と答えます。しかし、私の結論は違います。

移民とGDP

 経済にとってプラスであるという考え方の人は、GDPにとってプラスであることを主張する人が多いです。エコノミストとして、GDPがプラスになっているのに経済にとって良くないというのは説明しづらいというのはあるでしょう。
 移民が入ってくると、移民の人たちも食べていかないといけないので何らかの経済活動をします。そのため、GDPがプラスになるというのは確かです。移民が入ってくれば、需要が生まれて労働供給も増える。GDPはプラスになる、これは確かです。
 
ただし、GDPがプラスであれば全てオッケーか、そうではない、それだけではないというのが私の考えです。

移民によるプラスとマイナスの影響

 これは、「円安はいいことなのか」という議論と非常によく似ています。全体ではプラスだったとしても、国内で恩恵を受ける人とそうでない人、むしろマイナスになる人もいるわけです。そのバランスがあまりにも悪い場合、決していいことではないというのが私の見解です。
 円安も、恩恵を受ける人と逆に不利益を被る人を比較した時に、恩恵を受ける人の方が圧倒的に少ない。大企業株主や一部の資本家だけが利益を得て、国民の大多数は輸入物価の高等でむしろマイナスになる。移民の問題も似たようなところがあります。
 何をするにしても、プラスになる人とマイナスになる人がいるわけですが、このバランスがあまりにも崩れてくると、社会全体にとって良くないことだと思います。GDPというのは、1つの側面にすぎません。GDPだけを見ていても、それは分からないわけです。

移民と社会保障制度

 経済以外の面についても考えますが、文化の異なる移民を大量に受け入れれば、様々な問題が生じてくるのは言うまでもありません。世界の先進国の多くは、少子高齢化で社会保障制度の維持が難しくなってきています。移民の人たちがそうした制度を使うケースに対して、不満が高まっているのが現状です。
 欧州では、イスラム教の女性が顔を覆うブルカを着用しないといけない中で働くことができないという理由で、生活保護を受けて、それに対して国民の怒りが爆発したということがありました。これを許してしまうと、イスラム教の女性の移民が入ってくると、全員生活保護を受けることになってしまう、誰のための社会保障制度だ。そのような話になったわけです。

 移民が多いフランスなどの欧米の国では、結婚観も人それぞれバラバラというのがあります。こうした部分も日本とは大きく異なります。

フランスの少子化対策と日本への教訓

私の考え

 世界的に移民が増えすぎていて、マイナスの影響が大きくなっていると私は考えています。これは、富の格差が広がる社会の中で、これからも多くの国が向き合うべき問題だと思います。
 
国連のレポートなどを見ても、海外移住はそれなりにコストがかかり、移住者の負担も大きいですが、それでも移住しようと思う理由は所得格差が大きいことが1つの理由だとされています。移住すれば、もっと稼げる、豊かな暮らしができる。所得格差が広がる社会構造の中では、移住したいというニーズはなかなかなくならないでしょう。

GDPとYouTubeのチャンネル登録者数

 話は変わりますが、移民問題でGDPだけをターゲットにすることは、YouTubeで言うチャンネル登録者数至上主義と似ています。チャンネルを継続的に見たい人の数がチャンネル登録者数であるという大前提のもと、YouTuberをランキングする際、チャンネル登録者数が用いられますし、チャンネル登録者数がYouTuberの力を図る1つの重要な指標にはなっていると思います。

チャンネル登録者数至上主義

 しかし、チャンネル登録者数という指標が重要だということになると、とりあえずチャンネル登録者数だけを増やそうという人たちが出てきます。そういう人たちは他のYouTuberとコラボをしたりして、チャンネル登録者数を増やそうとします。実際、それでチャンネル登録者数は増えるのでしょうが、コラボばかりしていると、本当にその人の動画が見たいというより、コラボが面白くてチャンネル登録しましたという人が増えます。そして、本人の動画が全く視聴されないということが起こります。

チャンネル登録者数の意味

 そうすると、チャンネル登録者数という指標はそのチャンネルを継続して見たいと考えている人の数を表していないということになり、チャンネル登録者数が全く意味ないという話になります。チャンネルを継続的に見たい人の数がチャンネル登録者数であるという大前提が崩れるわけです。実際、チャンネル登録者数は多いのに、日々の動画は視聴されないというチャンネルも多いと思います。

まとめ

 私も、YouTubeの活動で、登録者数だけを増やそうなど、そういう表面的なことではなく、毎日見てもらうために本当に面白いと思ってもらえるものを作れているかどうか、常に真剣に考えています。表面上のことばかり考えて、チャンネル登録者数だけを増やそうとする、これは全く意味ないわけです。
 GDPだけ見て、移民は経済にとっていいことだという発想は非常に表面的なところしか見ていないと私は感じています。


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