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ついに入稿しました! #もぐら本 は袋とじばかりの本。

こんにちは、#もぐら本 企画チームの及川智恵です。

もぐら会有志で制作中の #もぐら本 、昨日、印刷所に入稿いたしました!!

会話ログ

↑入稿の報告を受けた瞬間の #もぐら本 企画チームの様子

実際に入稿作業を担当してくれたのは、編集長のかんちゃんです。

ひとまず入稿できた!! 入稿直前はとても怖い。執筆者一人ひとりが心のうちをしたためた大切な原稿。命をお預かりしているような感覚だ。できれば書かれた想いがそのまま素直に伝わるようにしたい。ノイズになるような誤字脱字やなんらかのミスはなくしたい。大丈夫かな、大丈夫かな、ノイズはもうないかな、怖い。でも、企画チームみんなで何回も何回も読んだし、確認もいっぱいしたし。もう大丈夫。えいやっとやるしかない。そして入稿したら封印していたどうぶつの森をやるのだ。

(もうガンガンやってください、どうぶつの森……!!)

1月から動き出した #もぐら本 プロジェクトも、ようやくここまで来ました。出展予定だった文学フリマが中止になったこともあり、スケジュールを少し後ろ倒して、そのぶんじっくり制作してきた大切な本。印刷・製本されて完成した実物を手にするのが、私たちも待ちきれません。

さて、入稿が済んで歓喜と安堵に浸る私たちでしたが、そんな中、昨日になって編集長しか知らなかったある事実が発覚しました。それは、編集長と印刷所の間では、#もぐら本 は「袋とじばかりの本」という名前で呼ばれていたということ。「袋とじばかりの本」って。どんな呼び方なのだ、それは。

企画チーム内では面白さと愛おしさが混じってじわじわと笑いが起きましたが、実は #もぐら本 、本当に袋とじばかりのちょっと変わった本なのです。

#もぐら本 の制作が始まった直後の1月。企画チームは、どんな本を作ろうかと日々話し合いを進めていました。ただ文章を書いて読んでもらうだけなら、Web上にアップしたってかまわないはずです。でも、そうではなくて敢えて紙の本を作るのだから、持っていたくなるような本にしたい。紙の本だからこそできることをやりたい。そう考えていました。

「そういえば」と、もぐら会を主宰する紫原さんが切り出しました。

「私、全部袋とじっていう本に関わったことがあるんだけど」

全部袋とじ……たしかに面白そう! 袋とじはまさに、Webではできない紙の本ならではの仕掛け。私たちが目指すところと一致します。

袋とじは、#もぐら本 の内容にも非常によくマッチしました。今回私たちが作ることにしたのは、「もぐら会のお話会を再現するような本」。お話会では、一人ひとりが今日の体調や過去1ヵ月の出来事などを話しますが、ときには、今までどんなに親しい人にも話したことがなかったような、とてもプライベートな話がこぼれることもあります。そんな密やかな物語を大切にとじこめておくのに、袋とじは最適でした。

そんなわけで #もぐら本 は、一人ひとりの原稿が袋とじになっています。35人分の原稿が掲載されているから、1冊につき35個の袋とじです。袋とじを開く前には、書き手に関するごくわずかなデータと、1枚の写真しか見えません。一つひとつ袋とじを破いて、一人ひとりの物語と出会っていく、そんな本になっています。

袋とじを開く瞬間には、きっと見てはいけないものを覗き見るような罪悪感、背徳感がつきまとうだろうと思います。少しざわざわする心で、少しずつ袋とじを開く。開いて読んだ後には、秘密を知ってしまった共犯者のような気持ちになるかもしれないし、はたまた鏡を見るかのように自分を見つけるかもしれないし、何が待っているかは人それぞれだと思いますが、おそらくそこまでひっくるめて、紙の本でしかできない体験のはずです。

袋とじになっていないのは、序章やあとがきなどごく一部のページだけですから、間違いなく #もぐら本 は「袋とじばかりの本」。たくさんの印刷物を扱っているはずの印刷所の方にとっても、さすがにここまで袋とじが多い本は珍しかったのかもしれません。一発で私たちの本だとわかる呼び方なのでしょう。

そんな袋とじばかりの #もぐら本発売予定日は6月1日です。どうぞ、お楽しみに。



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