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傾向と対策を練らないほうが新しいものが出てくる、のか?


ネットで物を買えば次々と「おすすめ」「他にもこんなものが買われています」というような情報が出てきて物欲を刺激する。動画を見れば「人気の動画へのリンク」「急上昇」という情報が出てくる。

今売れているもの、人気なもの、季節によって売れる商品、などなどのデータを研究し活用することが、マーケティングだ、と思っている。
ネットの普及によってこのあたりは飛躍的に伸びた分野だと思うが、急に伸びると反発も大きくなるのが世の常。
「マーケティングに頼ってたんじゃあ新しいものは生み出せねえ」派が出てくるのである。データとはすなわち過去の集積体であるから、そこにネガティブなものを感じるのだろうか。

「未来のヒット作は過去にはない」
みたいなセリフと共に破天荒なアイデアをぶつけてくる新進気鋭の型破りクリエイター!…ありそうなシーンだ。まあ実際大半のヒット商品やアイデアは、たいてい「過去にないことをやったから」生まれたものだと思うのだが、それに至るまでに過去のデータを全く活用していないのかといえば多分そうでもない。
「過去はこういう傾向があったから延長線上でやろう」というのがデータ活用なら、「過去はこういう記録があったから違うものを出そう」というのもデータ活用だからだ。

簡単に例を出すと「子供にコーラが人気だ」というデータから「子供がより好むフルーツのテイストを加える」みたいなのが正攻法パターンで、「あえて大人向けのコーラを開発」みたいなのが型破りパターンだろうか。

少年漫画だとデータに頼るやつって大抵悪役(最終的に「ぐああ、こんなのデータにない」といって負ける)なので、このあたりのマーケティングを嫌う思考は、この延長線上にあるような気がしている。とはいえ、「なるべく外さない」ということを第一目的に据えるとデータに基づいたほうが安心、となっていくだろう。もし仮に外れても「データ的にはいけるはずでした」という言い訳が使えるし、プロジェクトにゴーを出した上司も安心、みたいなことになる。

少し前にヒットした明治の「THE CHOCOLATE」に関してはたまたま開発者インタビューを読んだことがあるが、チョコレートぽくないパッケージとかで当初かなり反対を食らったらしい。しかし開発担当が「そもそも(反対してる)あなた方はターゲットじゃない」と押し切って、結果大ヒットしたという。
そのへんは内部のケンカっぽいところもあるせいか公式ページの「ストーリー」では触れられてないな。何の記事だったかなあ…。

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公式ページの写真。シャレてますなあ。


しかし、同じようなマーケティングデータから、全く違うものが出てきたりするのは、やっぱり読む人次第なんだろうな。新しい企画を出す人は何らかの仮説を持ってて、それらを補強するためにデータを活用しているんだと思う。

そうなるとやはり核となるアイデアがないと、データがあろうがなかろうがどうにもならないということだ。う~ん。世間のマーケティング担当の人から話を聞いてみたい。

サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。