見出し画像

「やっちまった!」その時あなたは。

今や芸能人だけではなく、一般人にも「失敗したことが逆においしい」みたいなことが起こりうる。端的に言うと「やらかしがSNSでバズるネタになる」ことがある。


例えばこんなのだ。
「散髪の指示を間違えてとんでもない髪形になった」
「袋を開けようと思ったら中身が全部出て悲惨なことになった」
「炊飯器の中にご飯が入った状態でさかさまに落とした」
「ティーカップにお湯を注ごうとしたら間違えてティーバッグが入っていた缶のほうにお湯を注いでしまった」

以前見たような気がするものも、実際に最近見たものもあるが、いずれにせよ「よくすぐ写真撮ってアップできたな」と思う。

「1.やらかした!」→「2.せっかくなので写真を撮ろう」→「3.アップしてネタにしよう」という流れの1から2が速い。記者が事件に偶然立ち会った瞬間カメラを出すみたいなレベルだ。たとえば毎回食事をアップしてます、みたいな人だと食事が出てきた瞬間に写真を撮るのが日常になっているだろうが、失敗した瞬間に写真を撮るのが日常になっているのだろうか。

これが習慣化していなかったら「1.やらかした!」→「2.がっくりしながら後始末した」で終わるだろう。よくホームビデオ撮ってたら子供がブランコから落ちた、みたいなのがあって「撮ってる暇があったらすぐ助け起こしてやれ」と批判されたりもする。が、これはカメラ越しだと現実感が薄くなるという感覚もあるだろうからわからなくもない。

しかしうがった見方をすると「もしかしてアップする前提で失敗していないか?」ということも考えられる。最近の言い方でいえば「やりに行っている」というやつだ。あらかじめカメラを構えたところで失敗しているからこそ、失敗の瞬間をすぐアップできるのではないか?という疑い。それにより「バズった」という称号を手に入れて1万いいねを稼いでいるのだ……!!
と考えるとなんか結構悲しい感じがするなあ。趣味で作っているものが凄いとか、描いた絵が上手すぎるので注目されたとかだったら「実力を発見されてよかった」という感じになるのだが、「面白い失敗で注目された人」というのは一度きりの最大瞬間風速でしかない。作品はファンがついたり仕事の依頼が来たりという方向に繋がっていくが、たまたまの失敗はそういう方向にはいかない。注目されたからといって同じように失敗写真をアップしていたら「こいつやってんな」とすぐ叩かれるだろう。

だから何の作為もなく失敗でいいねを集めた人がいたとしたら、瞬間バズった記念になった、くらいの話だろう。むしろ通知音が鳴りやまず迷惑だった可能性もある。

実際どういう感じになるんだろうな。テレビや書籍の企画で「突然バズってこうなりました」という人にインタビューする企画出てそうだな。一般人だから企画が成立しにくいだろうが、生の声を聴いてみたいものだ。


サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。