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「寺に集まり信仰的な交流を図る 唯一の楽しみがここにあった」 大儀山 会林寺 2/2

「坐禅会」と「講」による寺の布教活動

 寺の宗教活動としてご葬儀やご法事等はもちろん、「坐禅会」「講」があります。坐禅会は、先代が昭和33年から始め40年くらい続けておりました。私の代になり、今から5年ほど前まで毎月朝6時〜7時まで1週間、市内の方を中心に若い方からご年配の方まで15名ほど集まって開催、大事な交流の場としておりました。 平成半ば頃まで、この地域には「講」と呼ばれる信仰団体がありました。「念仏講」、「地蔵講」、「観音講」といったグループで、毎年毎月、観音様の縁日に女性の方たち10~20人くらいがここに集まり観音経を読んだり、信仰的な交流を図るというものがありました。この「講」も最近までやっていたのですが、講員の高齢化と共にその後継が途絶えたことで、会林寺の講組織は無くなってしまったと後藤住職は言います。

 「講」と呼ばれる団体が布教の対象であったことで、後藤住職が話し相手になることもあったそうで、若い人たちが自ら足を運び、色々な話をしながら交流をし、楽しみにしていた唯一の「遊び場」がお寺であったことは間違いありません。

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大儀山 会林寺  後藤信而(ごとうしんじ) 老師
昭和3年生まれ93歳。昭和28年東京大学文学部宗教学科卒業。昭和39年1月第28世会林寺住職となる。昭和56年から平成22年まで曹洞宗宗議会議員を七期務め、昭和59年から平成15年までは市教育委員(委員長)、平成17年9月旭日双光章を受賞(教育・文化功労)


茶道を通じて深める地域の人たちとの交流

 後藤住職の奥様で、表千家茶道の教授でもあられる信子さん。ご出身は青森で昭和18年から女学校、大学と茶道をされていたとのこと。大学を卒業と同時に高校教師の職に7年間就いた後、新庄市へ。昭和40年代から35年間、春と秋に必ずお茶会を開いていたと言います。大勢の時は、二七〇人を招いた事も。会林寺には6月になると杉の木に何本もの藤の花が綺麗に花を咲かせます。その季節には「藤見」と称したお茶会も開かれ、遠方からはもちろん、住まい関係なく多くの人がこのお茶会を楽しみにお寺に集まり、そして茶道を通じ交流を深めていたそうです。

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茶室を案内して下さった信子さん

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新庄市文化団体会議功労賞

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副住職 後藤雅光師
昭和54年生まれ。駒沢大学付属高等学校卒業。駒沢大学禅学科卒業。山形曹洞宗青年会副会長。

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