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「檀家との繋がり」 白龍山 福田院 2/2

檀家との繋がり

 福田院の裏手には田園風景が広がっており、遠く鳥海山を望むことができます。檀家のほとんどが農業を営んでおり「和尚さん、この野菜採れたから食べて」と地域の人たちからさまざまな農産物が届くといいます。葬儀などで不在だった間に玄関に野菜が置かれていたりもするそうです。

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「お寺には私や妻のどちらかだけでも、なるべく居るようにしていますが、どうしても留守になってしまうことはあります。でも、置いていってくれた野菜などを見て、これはどこのお宅だな、ってわかるくらい近しい関係です」と長峰住職。

 少し前まではいつもお寺の茶の間に誰かがいて、ご近所の交流の場になっていたとのことです。そのことからお寺は昔から地域の情報が集まるところでした。「あの檀家さんは今どうしているかな」と、各家庭の暮らしを気にかけるのは、お寺の役割のひとつです。

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リモート化への懸念

 コロナ禍でリモート化が進み、葬儀本来の意味が失われてしまうことを長峰住職は懸念しています。手を合わせてお別れを告げる、読経中にお焼香をする、ご遺族と互いに深く頭をさげる、その両者のやりとりが大切だといいます。どれだけ人の交流が制限されていても、葬儀となれば、必ず皆が礼装して集まる、その文化・礼節は失われてはいません。「近しいご遺族が遠方でどうしても来られない場合、動画を撮って見せたい、などのご要望にはお応えしています」と、リモート化を全て否定するわけではないのです。

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 葬儀業界も今後のあり方を見直さなければならない中で「葬儀社さんと寺院が連携を取り、一般焼香の際にはご遺影だけではなくご遺骨にお参りし、喪主様にもご挨拶ができるよう時間の調整を計るなど住職としてできる限り対応していきたいです」と語ってくださいました。



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福田院に祀られている地蔵尊
福田原処刑場の廃止に伴い福田院に移設


長峰住職の一日

4:30
|起床
5:00
|朝のお勤め
|お経をあげる

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|ご本尊や位牌堂にお給仕
|本堂の掃除

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|感染予防の消毒
|雪かき(冬期)
8:00
|朝食
|法事の準備
|お塔婆や過去帳、御朱印の染筆

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PM 12:00
|昼食
|事務・会計作業
|草むしり(夏期)
PM 7:00
|夕食
|読書
PM 9:30
|就寝

fukudenin_家族

子どもが独立したので朝食時間は遅めです。葬儀や法事がある日はそのスケジュールで動きます。葬儀の入らない友引の日などは寺院関係の会議が入ったりします。休みといえる日はほとんどなくて、夜は本を読んでますね。刀剣関係の古書を集めています。(長峰住職)



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