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#17 結局、最後に勝つのはオタク

しがないエロライターだった俺が、ベストセラーのゴーストライターに成り上がるも、やがて朽ち果てるまでの軌跡を振り返るとともに、それを戒めとしてライターとして大成するための極意について書く。

「じつはもがじさんって、僕が4人目に声をかけたライターさんだったんですよ」

これは、ベストセラーになったハウツーセックス本の著者であるA氏から、かなり後になって聞いた話だ。
A氏はゴーストライターを必要としないほど魅力的な文章が書ける人だったが、当時はオリジナルなセックステクニックの啓蒙活動で多忙を極めていたため、ライターを探していた。

A氏とは、ある週刊誌の取材が縁で知り合った。
たまたまタイミングがあって俺に白羽の矢が立ったのだろうと、そのときは思っていた。
しかし、事情はちょっと違った。
何がダメでそうなったのかは知らないが、早い話、俺の前にA氏が声をかけた3人のライターは、いずれも不合格だったわけだ。
そうとは知らず、俺はある日、A氏に呼び出されて渋谷でランチミーティングをした。

今から思えば、がっつり面接されていたわけだ。

俺は当時30代半ばで、エロライター歴10年。
歌舞伎町なんて自分ちの庭ぐらいの感覚だったし、別のコラムにも書いたことだが、男性誌ではハウツーセックス特集とかもバリバリやっていたもんだから、セックスと女の話だったらどんとこい状態。
10代のギャルたちで埋め尽くされた109の喫茶店で、昼間からおっさん2人がセックス談義で大いに盛り上がった
果たして俺はA氏のお眼鏡にかない、専属ゴーストライターとしての長~いお付き合いが始まることになる。

このエピソードには、2つの教訓が含まれている。

(1)チャンスはどこに転がっているかわからない
(2)誰にも負けない得意分野を作るべし

(1)に関しては、多くを説明することもないだろう。
仕事に限らず、おもしろいことを増やしたかったら、どんどん外に出ていって、いろんな人に会いましょう。
以上、終わり。

(2)に関しては、ちょっとお時間をいただきたい。
俺ね、かなり前から思ってることがあって、絶対に間違ってない自信もある。

それは、「最後に勝つのはオタク」ってこと。

ここで言うオタクとは、部屋に美少女フィギアを飾ってる人限定ではない。
広い意味で、

「その分野に関して異常に詳しい人」
「自分の好きなことを極めたいと本気で思っている人」

のことだ。
俺は、自分がオタク気質じゃないぶん、オタクのすごさを客観視できると思っている。
たとえば、「映画に超詳しい人」とか「グルメに超詳しい人」とかが周りにいたら、友達になりたいと思わない?
なるよね、便利だもん。
で、ここからもう一歩話を進めると、「映画全般」よりも「洋画専門」、「洋画全般」よりも「ホラー映画専門」、「ホラー映画全般」よりも「ゾンビ映画専門」って感じで、どんどん範囲を狭めていくほど、会ってみたい度がアップしていきませんか。
同じようにグルメも、「高級店は知らないけど、850円以下で大満足できる関東近県の洋食屋ランチなら任せて」みたいな知り合いがいたら、めっちゃ自慢したくなりません?

そういう例で言うと20年前の俺は、「都内の性感ヘルスなら任せろ! 特に池袋は詳しいぞ」みたいな感じだった。
というのも、過労死してもおかしくないほど体験取材しまくってたから。
冗談抜きでその頃は、「時給出すから、誰か俺の代わりに取材に行ってくれない?」って思っていた。
そんなわけで、あくまでも自己申告になるけど、「今の俺より都内の風俗に詳しいヤツはいない」って本気で思ってた。
それをスペシャリストと呼ぶのはちょっと違うのかもしれないが、少なくとも体を張って風俗と向き合っていたことは事実なわけで、セックスや女性については一般男性よりも圧倒的に経験値が違うという自負はあった。

ただ俺の弱いところは、女好きではあったが、風俗オタクではなかったことだ。
バブリーな時代性と店舗型風俗の全盛期が重なったことで飛躍的に風俗記事の需要が高まり、来た仕事を普通にこなしてるだけで、「都内の風俗に異常に詳しい人」になったに過ぎない。
それでも異常に詳しくなった俺は強かった。
出版業界なんて狭い世界なので、「エロネタなら多最上」と過大評価してくれる編集者が次第に現れ、仕事の依頼も増えてきた。
そのことが、結果的にA氏との出会いに繋がっていくのだ。
そしてA氏の専属ゴーストライターになった俺は、A氏からどんどんセックス情報を吸収して、今度は「セックスに異常に詳しい人」になっていく。

よく、
自分の好きなことを仕事にできる人は少ない
→だから早めに諦めましょう

とか、
好きなことを仕事にしないほうがいい
→好きなことが嫌いになるから

なんて言う人がいるが、そんなの絶対に間違いだ。

「仕事にしたいほど好きなことがある」

それだけで、その人は幸せだと思う。
もっと幸せになるために、その好きなことで、誰にも負けない得意分野を作ろう。
「絶対に今の俺より詳しいヤツはいない」
と本気で思えるようになるまで、徹底的にやろう。
本当に好きなことなら苦にもならない。
そう、どう考えてもオタクは最強だ

生まれ持った気質もあって、「最後はオタクが勝つ」という確信を持ちながら、俺はオタクにはなれないでいる。
ただ、その気になれば誰だって、「異常に詳しい人」にはなれるはずだ。
飽きっぽい俺でもなれたんだから、だいたいみんな大丈夫だ。


【プロフィール】
50代のライター。
出版業界でエロ仕事を任されたことが転機となり、ヤリチンロードを爆走。
浮気がバレて30代前半でバツイチになるも、返す刀で当時の愛人の一人と結婚。
子宝にも恵まれ、ささやかな幸せを漫喫しつつ、ヤリチン癖は健在。
現在、20代のOLと絶賛不倫中。

ツイッター https://twitter.com/mogajichan

【著書】
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50代のライター。出版業界でエロ仕事を任されたことが転機となり、ヤリチンロードを爆走。浮気がバレて30代前半でバツイチになるも、返す刀で当時の愛人の一人と結婚。子宝にも恵まれ、ささやかな幸せを漫喫しつつ、ヤリチン癖は健在。現在、20代のOLと絶賛不倫中。
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