見出し画像

UiPathの本、どれを買う?UiPath本比較解説 7冊!

UiPathとは、簡単に言うと、ブロック状のパーツを並べてプログラミングし、キーボードやマウスの操作、WordやExcel、業務システムなどソフトウェアの操作をするソフトウェアです(簡単に言うとね!)。プログラミング経験がなくても、簡単に始められます。ただし、凝ったことをしたい場合は、プログラミングや設計の考え方が必要になってきます。

UiPathを勉強しようと思った時に、書籍を購入される方も多いでしょう。
情報を伝える媒体は、書籍、ウェブサイト、パンフレット、セミナー、コミュニティ、口コミ、SNSなど、様々な形式がありますが、それぞれ得意不得意があり、全体の雰囲気を掴んだり、名称や使い方を学ぶには、書籍が大変便利です。
しかし!書店に行ったり、Amazonで検索してみると、何冊も種類があって、「どれを選べば良いかわからない……」となってしまうかもしれません。
そもそも、初心者や中級者など、レベルによって必要とする情報は違いますし、やりたいことによっても、学ぶべきことが違います。
そこで、今回はUiPath関連書籍の特徴についてまとめてみたので、迷っている方は参考にしてみてください。

なお、この文章は、小笠原種高が書いています。
そうです、「UiPath入門 基本編」「UiPath入門 アプリ編」の著者です。「こいつ、自分の本の宣伝じゃねぇか!」と思われるかもしれません。まあ、宣伝です。ただ、他の書籍(5冊)もできるだけちゃんと紹介しているので、安心してください。

ということで、最初は自著の紹介です。どちらも初心者向け(入門者向け)なので、自分は中級者であるという方はスキップしても大丈夫です。
なお、「自分は初心者・入門者である」と申告される方の中には、他のRPAツールを使い込まれていたり、UiPathを既に触っている方もいらっしゃいますが、そうした方は、中級者で良いと思います。高専の人は、大学三年生に編入するでしょ?それと同じで、他のツールを既に使っている方は、編入者であって、入門者ではありません。
このブログで、「初心者・入門者」とは、まったくRPAをやったことのない方を前提としています。編入者や、中級者向けの場合は、どのような知識が前提として必要か明記しておくので、参考にしてください。
(※本の著者や編集さんは、ここがアピールポイントだという主張があれば、ご連絡ください。追記します。せっかくなので、宣伝してください)

「RPAツールで業務改善!UiPath入門 基本編」小笠原種高・天野きいろ著/UiPath株式会社監修

■読者に求める知識
RPAの知識→ゼロで良い
UiPathの知識→ゼロで良い
プログラミングの知識→ゼロで良い
■身につくこと
RPAとはなんぞや?
UiPathってどんなもの?
UiPathでのレコーディングのやり方
UiPathでのプログラミングのやり方(初級)
簡単なキーボードやマウスの操作をUiPathに代行させること

入門・基本編とある通りRPAもUiPathもやったことのない初めての人が対象です。もちろん、プログラミング未経験者、Excelのマクロ未経験者も歓迎です。
そのため、対象読者としては、エンジニアというより、一般的な事務を担当している人や、導入を検討している情報システム課の方などを想定しています。
扱う内容も、「RPAとは何か」から始めて、レコーディング機能と、簡単なプログラミングの「解説+ハンズオン」を取り扱っています。「どんなものか、一通りわかること」が目標です。レコーディング機能は、類書に比べて詳しいかもしれないですね。また最後に、業務を見える化する話なども簡単に入れてあります。
この一冊で、実践的にガンガン会社に導入しようという本ではなく、まったくの初心者が、RPAはどういったもので、UiPathをどのように使えばいいのかを知って欲しい本なので、UiPathを既に触っている方は、次に紹介する緑の本以降のレベルで良いと思います。
逆に、「やってみたいけど、右も左もわからんぞ!」な方にはお勧めです。
UiPath株式会社の監修です。その節はお世話になりました。

「RPAツールで業務改善!UiPath入門 アプリ操作編」小笠原種高・浅居尚著/UiPath株式会社監修

■読者に求める知識
RPAの知識→何をするものかは知っていて欲しい
UiPathの知識→多少触ったことがあること
プログラミングの知識→ゼロで良い
■身につくこと
UiPathでのプログラミングのやり方(初級~中級)
UiPathでExcelやWord、Web、メールを操作する(初級)
UiPathでループや条件分岐、変数をおおよそ理解し、使えるようになる
プログラミングの初歩
簡単なソフトウェアの操作をUiPathに代行させること

こちらは、基本編から少しステップアップして、UiPathでのプログラミングを中心にした本です。基本編を読み終わった方や、マクロを触ったことがある人、UiPathで具体的に自分の業務をRPAに任せたいけれど、どこから始めていいかわからないといった方を対象にしています。
スタイルとしては、基本編と同じ「解説+ハンズオン」です。
そのためUiPathでWordやExcelメールウェブスクレイピングをどのようにやるかという簡単な説明から、ループや条件分岐などの、プログラミングの基礎についても説明をしています。特にメールの仕組みに関してはあまり扱っている本が少ないので、特色があるのではないかと思います。
UiPathを既に触ったことがあるけれど、実際に自分の業務を置き換えるには何から始めたら良いかわからない方、とりあえずインターネットに転がってたサンプルをまねしてみたけど、何をやっているのかわからなかった方など、入門者の中でも少し先に進みたい方にお勧めです。UiPathを使ったプログラミングを学びたい方も是非。
こちらもUiPath株式会社の監修です。

「できるUiPath実践RPA(できるシリーズ)」清水理史/できるシリーズ編集部

皆さん大好き「できるシリーズ」です。UiPath関連で一番最初に出た書籍で、ウェブ連載もされてましたね。
できるシリーズは有名なので、今更細かい説明は要らないような気もしますが、この書籍もハンズオン中心に進んでいく書籍です。細かいヒント(ミニコラム)も充実しています。
「RPAとはなんぞや?」から始まって、レコーディングや、プログラミングなど、一通りのことが学べます。前半はステップバイステップで解説、後半はチップスがたくさんあるスタイルです。最後は、「より高度なテクニックを使おう」として、中級者向けの内容も記載されています。
RPAとは何かわからない、UiPathを触ったことの無い人から、ちょっと難しいことも挑戦してみたい層まで、幅広く対応している本ですね。プログラミングの知識がなくても、大丈夫です。
ちょうど、読者のレベルとしては、私の「UiPath入門基本編/アプリ編」と競合する範囲ですが、このあたりは好みでしょう!巻末付録として、アクティビティ一覧があるのも、ありがたい本です。


「『UiPath』ではじめるRPA」(I・O BOOKS)ちびなえ

この本も「RPAとは何か」「UiPathというのはどういうものか」というところから解説のある初心者向けの本です。「解説+ハンズオン」の形式です。プログラミングの基礎についても、しっかりと説明があるのでプログラミング未経験者にもお勧めです。
というか、この本の特色としては、「UiPathを使ってプログラミングを学ぶ」のにも良いのではないかと思います。
UiPathは、簡単に言うと、アクションと呼ばれるブロック的なパーツを組み合わせてプログラミングして、パソコン上のソフトウェアや業務システムなどを操作するツールです。ですから、目的は業務を自動化するものではありますが、プログラミング的な考え方の勉強にもなるので、そうした目的の時に、大変助けになるのが、この書籍です。
ちょっと面白いアプローチの本です。


「基礎がよくわかる!ゼロからのRPA UiPath超実践テクニック」吉田将明

「基礎がよくわかる」とありますが、初心者だけでなく、中級者レベルまでしっかりと書いてあるので、他のRPAツールからの編入者や、既にUiPathを使っている中級者にも大変おすすめです。UiPathの機能について、かなり網羅的に詳しく解説されています。
特にエンジニアの人で、しっかり作り込んだ物を作りたい場合には、この程度の知識はあったほうがいいでしょう。型の種類や、セレクターやエラー制御、.NetFrameworkの関数についても詳しく書かれているので、自分の業務をRPA化するだけでなく、客先に納品するようなものを作る場合には、かなり頼りになります。.NetFrameworkのあたりは、実用的なロボットを作ろうと思ったら、必須です。詳しいのは良いですね。
また、UiPathでプログラミングした時に、上手く動かないこともありますが、この本の知識があると、そのあたりも対処できるようになると思います。
ただ、UiPathの基礎については詳しいものの、プログラミングの基礎について、プログラミング初心者向けに易しく書かれているわけではないので、ある程度その辺りの知識を知っている人向けではあります。
初心者向け書籍の卒業生にもお勧めです。


「実務者のための失敗しないRPAシナリオ設計入門」小佐井宏之

こちらは、書籍の冒頭に「中級者向け」とはっきり書かれているように、中級者向けの書籍です。
「RPAとは何か」という話も書かれていますが、設計の仕方を詳しく説明されており、複数のワークフローを使ったサンプルが用意されているので、SE1年生やSIerの人で、RPAに興味のある人にもお勧めです。他のツールを使っている場合でも、設計の話は参考になります。
この本は、どちらかと言うと、自分の業務をRPA化するというよりは、しっかりとしたものを作って客先に納品するケースなどで必須の内容です。(自分の業務をRPA化する時にも、本来はあるべきですけどね!)
そのため、ドキュメントの書き方が分からない、設定の仕方がわからないという方の大きな助けになるでしょう。また、テストの方法があるのも大きな特徴です。

「UiPath業務自動化最強レシピ RPAツールによる自動化&効率化ノウハウ」小佐井宏之

「レシピ」とタイトルあるように、UiPathを使ってRPA化する時のTips集です。良いですね!「こういうことをやりたいんだけど、やり方が分からないな」「調べるのが面倒くさいな」という時に重宝しそうです。
自分のやりたい事をUiPathでどのように書くのか、どのアクティビティを使うのかなどが分かります。また、上手く動かない時の対策が書いてあるのも助かりますね。
対象としては、自分用のものから大きめの規模まで様々な場面で役立つTipsが並んでいます。

どの本を選べば良いのか

さて、UiPathの書籍7冊について紹介しましたが、如何だったでしょうか。
どの本を選べば良いのかですが、オガサワラのお勧めとしては以下のような感じです。

初心者であり、UiPathの使い方を知りたい→「入門基本編」「できる」「UiPathではじめる」
初心者以上中級者未満でUiPathの使い方を知りたい→「入門アプリ編」
中級者であり、UiPathの使い方を知りたい→「超実践テクニック」
レコーディングをやりたい→「入門基本編」「できる」
ウェブスクレイピングをしたい→大概どれもそんな話は入っている
未経験者がプログラミングについて知りたい→「入門アプリ編」「UiPathではじめる」
UiPathの実例集やノウハウが知りたい→「超実践テクニック」か「レシピ」
ハンズオンでやりたい→どれも大概ハンズオン形式
Excelや業務システムを操作したい→大概どれもそんな話は入っている
UiPathの設計の仕方を学びたい→「シナリオ設計入門」
自分の業務を置き換えたい→「入門基本編」「入門アプリ編」「できる」「UiPathではじめる」
ある程度大きな規模でやりたい→「超実践テクニック」「シナリオ設計入門」(両方)
どれを買ったら良いかわからない→全部買っちゃいなよ!

このようなところでしょうか。一番特徴のあるところを書いてあるので、上に上げて無くても、その内容が含まれるものもあります。
これを見るとわかるとおり、結構被っていません。UiPathは中々奥深いので、どれか一冊というより、複数冊で学んだ方が良いでしょうね。
とにかく、自分のレベルと目的にあった書籍を選ぶのが一番大事なので、最も良い方法は、書店で実際に手に取って見てみることです。
もし、それが難しいようであれば、出版社のサイトや、Amazonに目次が必ず載っているので、そちらをよく確認してください。
そして、本を読んで、「良かったな」「役に立ったな」と感じたら、感想をtwitterなどで伝えたり、Amazonレビューに書いてもらえると、著者としては嬉しいです。(特に僕の本は宜しくお願いしたい!!)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?